2009年の入域観光客は565万800人だったことが、県から正式発表された。過去最高の604万人が訪れた08年から約40万人(6・5%)の減少だ。
世界不況、新型インフルエンザ大流行と、外部環境があまりにも悪すぎたため、減少に転じることはすでに織り込み済みで、県民は冷静に受け止めた。
問題はこれからだ。沖縄を訪れる観光客が減ったのは、不景気や新型インフルによる一過性のものなのか。不況や感染病の陰に隠れ、ブームの反動としての「沖縄離れ」が進んでいることはないか。
沖縄にとって観光は基幹産業だ。経済波及効果(04年度)でみれば、観光消費の直接効果に他産業生産誘発効果を加味した生産波及効果は6900億円に達し、県内生産額の11・7%に相当する。そのほか、雇用効果は7万8850人、税収効果は298億円とはじかれている。
観光客が減れば、レンタカー需要が落ち込んで新車は売れず、モノレール利用客も減少する事実を見れば実感しやすいだろう。今や県経済は、観光なしでは成り立たない。
沖縄国際大学の富川盛武学長は、沖縄の景気回復のポイントについて「観光客の回復に尽きる」と指摘した(1月19日、本紙文化面)。県内景気は観光客の数、消費額によって左右されるだけに、入域観光客の減少が一過性のものであるか否かについては、客観的に、かつ、シビアに見極めなければならない。
各種機関の予測では、日本経済の回復が見込まれる今年後半には沖縄観光も回復するという見立てが少なくない。
だが、ここはあえて楽観論を封印し、想定される悪材料を基に今後の対策を考える必要性を強調したい。
参考になるのは、10年入域観光客を3%減の545万人余と予測した特定非営利活動法人・沖縄観光連盟が示した根拠だ。
いわく、(1)リストラ加速や給与カットで節約志向が強まり旅行どころではないという層が増える(2)円高で割安になる海外旅行へのシフト(3)航空会社の路線見直しや中小型機導入傾向―など、沖縄に逆風となる事象が並ぶ。
杞憂(きゆう)で終わればいい。が、指摘されたように、国民の旅行機運がしぼみ、数少ない旅行需要が海外に流れ、航空路線が縮小された場合、3%減では済まない打撃を受ける恐れもないとはいえない。
数少ない旅行機会に沖縄を選んでもらうためには、観光客が評価する魅力、改善が求められている課題を追究する努力から始めねばならない。
満足度調査では、風景や海の美しさへの満足度が高い半面、自然環境の保全度、観光施設入場・文化体験、渋滞などへの不満が大きい。
強みのロケーションを生かしつつ体験型の要素を組み入れた企画として、「美ら島オキナワセンチュリーラン」「沖縄国際映画祭」「沖縄国際アジア音楽祭」といった取り組みも始まっている。
固有の魅力を守りつつ、新たな魅力をつくる“仕掛け”がより重要になってくる。