【久米島】沖縄伝統工芸の課題と展望を探るフォーラム「沖縄伝統工芸―未来への想(うむ)い」が5日、久米島町の久米島自然文化センターで開かれた。久米島紬(つむぎ)や芭蕉布(ばしょうふ)、紅型など県内各団体の代表者が登壇し、長引く不況で厳しい局面を迎えている各産地の現状や取り組みを説明。現状打破に向け、伝統の枠を超えて時代のニーズに対応したもの作りの必要性や、各分野・産地間が連携した「オール沖縄」での販路開拓の可能性について持論を語った。
那覇伝統織物事業協同組合の山口良子理事長は「厳しい市場を考えると、新しい展開が必要」とし、伝統技法をベースにした新たな試みを紹介。伝統技術を継承しながら「伝統の枠に埋もれない」新しい素材や技法を活用した新商品づくりの可能性を語った。
琉球びんがた事業協同組合の屋冨祖幸子理事長は琉球ガラスなど他分野とのコラボレーションを報告。「伝承者が先人の残したものを正しく伝えることは大切だが、産業としては、いかに消費者に興味を持ってもらえるかも重要」と強調、消費者ニーズに応えることが重要とした。
久米島紬事業協同組合の松元徹理事長は、国の事業を活用した新たな作品づくりや昔の資料の調査・分析などに取り組んできた経緯を説明。久米島紬を文化と産業の両輪で歩むスタンスを確立したい―とし、「次世代への継承につなげるため、沖縄の伝統工芸としても一つにまとまって全国に発信したい」と展望を語った。
このほか、平良美恵子(喜如嘉芭蕉布事業協同組合)、大城一夫(琉球絣事業協同組合)、島袋常栄(壺屋陶器事業協同組合)の各理事長が登壇した。
コーディネーターは県工芸産業協働センターの小橋川順市理事長が務めた。
同フォーラムは「久米島紬の日」関連イベントで、特定非営利活動(NPO)法人県工芸産業協働センターと久米島紬特別企画展・ファッションショー実行委員会が主催。町内外から伝統工芸従事者ら約100人が参加した。