【石垣】日本では八重山地方だけに生息するタカ科の鳥で、国の特別天然記念物カンムリワシの保護が今年に入って急増している。環境省によると、8日までに石垣島だけで8羽(2羽は死(し)骸(がい))を保護した。石垣島で過去最多だった昨年1年間の10羽を早くも上回る勢い。衰弱や交通事故が原因とみられる。
8羽のうち交通事故が5羽(2羽は死骸)、衰弱が3羽。市内の県野生動物救護獣医師指定のたまよせ動物病院、平田家畜病院で各2羽を治療。県傷病野生鳥獣保護飼養ボランティア施設の「石垣やいま村」で昨年保護した1羽を含む3羽が野生復帰を目指し、リハビリしている。
たまよせ動物病院で治療中の成鳥1羽は左羽を骨折、幼鳥1羽は衰弱しているところを別々の場所で発見され、7日に持ちこまれた。土城勝彦獣医師(36)は「2羽が同じ日に運ばれてきた。冬場は毎年多いが、今年は異常」と首をかしげた。
保護に取り組むカンムリワシリサーチの佐野清貴代表は「住民の意識が高まり、通報が多くなっていると思う。幼鳥の衰弱は自然淘汰(とうた)で仕方がないかもしれないが、交通事故は防がなければならない」と安全運転を呼び掛けた。
カンムリワシは西表島と石垣島で各100羽の生息が確認されている。巣立ち後の幼鳥が縄張り争いに敗れ衰弱したり、餌の少ない冬場に道路に出て、交通事故に遭ったりするケースが多いという。