[黄金人]海底ごみ拾い続け2年 海中写真家の有光智彦さん

釣り具1500点回収「沖縄の海守りたい」

釣り具で海が汚れていることを知ってほしい話す有光智彦さん(左)と前島綾子さん=北谷町・宮城海岸

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2010年2月28日 09時50分

 釣り人が集まる北谷町の海岸で、福岡県出身の海中写真家・有光智彦さん(45)=南城市=が海底のごみ拾いを続けている。2年間、週に1度の活動で回収した釣り具は1500点。「海の中に捨てられた釣り具が生き物を傷つけていることを知ってほしい」と写真展などで現状を訴え、活動の和が少しずつ広がり始めている。(金城珠代)

 2月の水温は20度前後。ウエットスーツを着て潜り、サンゴや海藻に絡まった釣り糸や釣り具を回収する。生き物を傷つけないよう細部にはピンセットを使うなど慎重に作業するが、長時間水中にいると寒さで手がかじかみ、海から上がると震えが止まらなくなる。4時間で回収する量はバケツ半分にも満たないが、1週間後には真新しい釣り具が投げ込まれるいたちごっこだ。

 有光さんが海底のごみ拾いを始めたのは一昨年の12月。福岡県で19年間勤めた消防署を辞め、「趣味の写真を仕事にしたい」と沖縄に移り住んだ。

 テーマは海の生き物。その中でも身近な海岸にこだわったが、初めて潜った北谷町の宮城海岸で釣り糸が縦横無尽に絡まり、古い釣り具が放置されている光景にショックを受けた。

 「これはひどい」

 バケツとハサミを持って戻り、海底のごみを拾った。ダイビングが趣味の前島綾子さん(40)が仲間に加わり、これまで50メートル四方の釣り場で1500点の疑似餌や鉛などを回収し、釣り糸やロープは大型のごみ袋2つ分になった。イカ釣りが最盛期になる冬場は小魚を模したイカエギが急増している。

 「考えるきっかけになれば」と釣り人と話し、写真展を開くなど現状を伝える活動にも力を入れている。最近は作業中に「ご苦労さまです」と声をかけられることが増えるようになったほか、海中の空き缶を拾い始めた男性もいて、少しずつだが浸透してきたと感じている。「釣り具を引っかけるのも人間だけど、外せるのも人間」。多様な生き物が暮らす沖縄の海を守るため、地道な努力を続けている。

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