鳩山内閣の支持率が下がりっぱなしだ。政権交代当初の熱気はもはやどこにもなく、5月危機説すら流れ始めている。
普天間問題をめぐる昨年来の迷走と、「政治とカネ」の問題に対する逃げ腰が、支持率低下を招いているのは明らかだ。
鳩山由紀夫首相は、直面するこの二つの課題について、国民から見て一番わかりやすい形で、大胆な一手を打つべきである。それ以外に支持率回復の道はないだろう。
共同通信が6、7両日に実施した全国電話世論調査によると、鳩山内閣の支持率は36・3%で、2月の前回調査より5・1ポイント下落した。支持率が40%を割り込んだのは昨年9月の内閣発足以来初めてである。
今回の調査結果で注目されるのは、夏の参院選で民主党が「過半数を占めない方がよい」と答えた人が58・6%に達したこと。前回10ポイント以上の開きがあった比例代表の投票先についても、民主党26・9%、自民党26・3%と、ほぼ拮抗(きっこう)している。
昨年の衆院選で有権者は古い自民党政治を嫌い、政権の「チェンジ」と、政治のあり方の「チェンジ」を同時に求めた。
社会が変わり有権者の意識が変わったことを自民党は正面から受け止めることができず、民心の離反を招いたのである。
劇的な政権交代からまだ1年も経っていないというのに、この体たらく。有権者の「チェンジ」への期待は、しぼむ一方である。
鳩山内閣は改革の旗の下、過去の政治や行政の仕組みをいったん、ばらばらに解体した。
事業仕分けでは一定の成果を上げたものの、内閣と党も、政治家と官僚も、ぎくしゃくしたままだ。
およそ改革と名のつく取り組みは、どれも緒についたばかりで、十分な成果は得られていない。
ここで手を打たなければ、改革道半ばで進退きわまって辞意、という結果を招きかねない。
鳩山首相に今、必要なのは、「政治とカネ」の問題について、もっと態度を明確にすることだ。小沢一郎民主党幹事長や小林千代美・同党衆院議員のカネをめぐる問題で、これ以上、逃げの姿勢を続けるべきではない。
米軍普天間飛行場の移設問題では、「沖縄の負担軽減」と「普天間の危険性除去」というこの問題の原点に立ち返ることが重要だ。
沖縄の民意は政権交代後、急速に変化しており、民意に寄り添った解決策以外に、連立方程式の解はない。
2010年度予算の年度内成立は確定したが、年金・保険、高齢者医療などの制度設計、深刻な財源不足に対する対応、消費税の扱いなど、生活に直接かかわる重要課題は、依然として議論が深まらないままだ。
改革に全力投球するためにも、鳩山首相は、まず普天間問題と「政治とカネ」の問題で指導力を発揮し、国民の疑念を払拭(ふっしょく)する必要がある。