名護へ共感 市長に激励続々 公約守る姿勢を支持

県民の思い示した/県内移設反対貫いて

2010年5月30日 09時38分

 【名護】米軍普天間飛行場の移設先として、日米両政府が合意した名護市辺野古への基地建設に反対の意思表示を続ける稲嶺進名護市長に、県内外から励ましのメールやはがきなどが届いている。「この国に民主主義はあるんですか」―。28日の緊急市民集会でも、県民世論を無視した日米合意に抗議の声を上げた稲嶺市長。「最低でも県外」の発言を翻した鳩山由紀夫首相とは対照的に、公約を守り抜こうとする姿勢が共感を呼んでいるようだ。

 名護市役所中庭で開かれた「辺野古合意」を認めない28日の緊急市民集会。稲嶺市長は自ら練り上げた原稿のメモを握りしめ、壇上に立った。

 「沖縄はまたしても切り捨てられた。民意を無視した頭越しのやり方は、地方自治に対する侵害であり暴挙だ」

 辺野古移設を拒否しつつ、米軍基地問題で本土から差別され続けてきたと思わせる沖縄の歴史的な痛み、理不尽さを根本から問いかける内容だった。「何を話すのか、実際に聞くまで分からなかった。市長が自分の言葉で思いを表した」(市幹部)

 翌29日、稲嶺市長の元には知人から複数の電話が寄せられた。集会のあいさつについて「県民や市民の思いを分かりやすく、はっきりと意思表示してくれた」などといった激励だった。

 2月の市長就任以来、市役所には県内外からメールやはがき、電話が数多く寄せられるようになった。メールは1日平均数件、はがきも2~3通届き、市長が目を通すようになっている。特に鳩山首相が来県した今月4日と23日の前後は数が増えた。

 市によると、励ましの声が圧倒的。首相との面談で明確に辺野古反対を主張したことに「毅然とした態度に感激した」(県内女性)、「県内移設反対を貫いてほしい。支援したい」(県外)、「首相の対応に怒りをおぼえる」(同)。一方で、批判的な内容もあり「国民全体のために移設を受け入れるべきだ」(県外男性)などの声がある。

 市では、今後も市長の動向が報道されることで、寄せられる意見は増えていくとみるが、稲嶺市長は「市民に約束したことを、しっかりやっていくだけだ」と話している。

市民集会あいさつ要旨

 今日(28日)、わたしたちは屈辱の日を迎えた。4日の鳩山総理の来県時の発言で、わたしの不安は失望に変わった。そして、新たに(日米)合同発表の日を迎え、怒りは頂点に達している。沖縄はまたしても切り捨てられた。地元への説明もなく、市民、県民の民意をないがしろにしているのは地方自治に対する侵害だ。

 合同発表は、地元だけでなく、3党の合意もなく、民主主義をまったく否定する形で進められた、許されざる行為だ。この国に民主主義はあるのだろうか。

 名護市に新たな基地はいらない、辺野古移設は断固反対する。この闘いに勝利することが、真の地方自治、地方主権、そして日本に民主主義を取り戻すことになる。この場からまた闘いを始めよう。

「辺野古反対」宮古も集会

 【宮古】4・25宮古地区大会実行委員会は29日、宮古島市平良の宮古教育会館で記者会見し、共同代表の奥平一夫県議らが「日米共同声明による米軍普天間基地の辺野古移設に抗議する声明」を発表した。

 声明文では、鳩山政権の抑止力を口実にした県民への基地押しつけの圧力には屈しないと強調。「訓練の分散移転で下地島空港も視野に入れた動きとなる危険性は除去されていない」と指摘し、同空港の「軍事利用反対の旗を高く掲げて、県民の島ぐるみの団結をいっそう強固なものにして、基地のない平和な沖縄を目指して闘い抜く」とした。

 一方、「普天間基地の辺野古への移設に抗議する緊急宮古市民集会」(5・29集会実行委員会主催)が同日、同市平良のカママ嶺公園であり、星野勉実行委員長は「民意を無視し、沖縄を差別したやり方に強い怒りを覚える。沖縄を、日本を守るための道具にしてはならない」と訴えた。参加者は、県内移設に「レッドカード」を示す赤い服を着て、辺野古への移設反対のシュプレヒコールを上げた。

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