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美ら島沖縄総体の出場切符をつかみながら内臓疾患のため断念、仲間の応援に回る選手がいる。重量挙げの大嶺肇君(17)=豊見城高3年。県高校総体では56キロ級3位に入り、県代表に選ばれていた。治療を第一に考え、苦渋の決断をした今、「通院の合間を縫って必ず応援に行く。悔いの残らない試合をしてほしい」と、仲間に夢の続きを託す。
体に異変が起きたのは5月末。県総体が開幕する2日前だった。熱が下がらず、だるい。だが、いっときの風邪だと思い、学校対抗の主力メンバーでもあるため「自分が頑張らないと得点が厳しい」と、気力でバーベルを挙げた。
チームメートの健闘もあって、豊見城高は目標の準優勝を達成。個人もトータル176キロを記録し、56キロ級代表に選ばれた。高1の2月に重量挙げを始めた大嶺君にとって、初の全国総体になるはずだった。
だが、その後の検査で内臓疾患が判明、「部活は厳禁」と告げられた。美ら島総体をあきらめるほかに選択肢はなかった。「美ら島に出たい一心でやってきた。何が何だか分からなかった。心にぽっかり穴が空いた気分だった」
金城政博監督は「入部が遅かった分、同世代との遅れを取り戻そうと熱心に練習していた。花が咲くときに、本人が一番悔しいと思う」と心情を推し量る。
バーベルを挙げられなくても、大嶺君は時間を見つけて同校の練習場に顔を出した。1年生にフォームを指導したり、調整する同級生に笑顔で声を掛けた。「自分も先輩に一から基礎を教えてもらった。部活の全部が思い出。知っている範囲で、できることをやりたい」と前を向く。
重量挙げ競技は8月8日から八重瀬町で始まる。古田順一主将は「肇の分までみんなで頑張る。優勝することが、一番のお見舞いになる」と全力投入を誓った。(大門雅子)