「蔡温松」倒れる 台風7号

北部 建物全半壊9件

台風7号の影響で倒れた名護市田井等の「蔡温松」=1日午前10時ごろ

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2010年9月2日 09時39分

 【北部】台風7号で猛烈な風雨にさらされた沖縄本島北部では1日、早朝から住民らが倒木や飛散した枝の撤去など復旧作業に追われた。名護市田井等で樹齢約300年とされる、高さ約17メートルの通称「蔡温松」が倒れるなど、新たな被害も確認。伊是名村では家屋全壊で、74歳の男性が公民館に避難した。8市町村の1万世帯以上で24時間以上の停電が続き、東村で村内の16%にあたる約150世帯が断水するなど、生活に大きな影響が出た。県防災危機管理課によると、1日午後6時30分現在、台風7号で自主避難したのは30世帯57人に上った。

 北部12市町村によると、人的被害は4件でいずれも軽傷。建物被害は全壊が5件、半壊が4件、一部損壊が60件以上報告された。

 名護市田井等の「蔡温松」は軽トラック1台を押しつぶし、民家の倉庫を直撃した。

 「蔡温松」は尚敬王時代に三司官を務めた蔡温(1682~1761年)が、防潮・防風などを目的に県内各地で植えさせた松。田井等区でもシンボルとなっており、東江重正区長(71)は「かつては5、6本あった蔡温松が、これで残り1本になった。豊年祭の御願の場でもあり、残念」と話した。今帰仁村越地の県指定史跡「仲原馬場」でも樹齢300年近い「蔡温松」が幹から折れた。

 名護市内で半壊した木造住宅の修復に追われていた宮城哲康さん(54)は「次の台風がいつ来るか。それまでに何とか片付けたい」と話した。あるレストランでは、強風で飛ばされた看板などを従業員が撤去。仲地宗忠さん(50)は「久々の台風で直前まで晴れていたので油断した」と苦笑い。同市許田の「道の駅」では1日午前まで停電。一部テナントは休業した。ジェラート店は開店ができず、店員は「電気が復旧するまでどうすることもできない。アイスはすべてだめになった」とあきらめた表情。

 東村の県道では、高さ約8メートルのモクマオウが倒れ、電柱が傾いた。通行止めの解除は2日以降になる見通し。同村川田の平良真さん(28)は「早く電気が復旧してほしい」と疲れた様子。

 JAおきなわの調査で、特産の温州ミカンは収穫前の約250トンのうち20~25%、冬に収穫のタンカンは1000トンの見込みのうち10~20%が被害に遭ったと予測。サトウキビも梢(しょう)頭部が折れるなど被害を受けた。

5300世帯停電続く

 沖縄電力によると、台風7号の影響で、2日午前0時現在、沖縄本島北部の5300世帯で停電が続いている。

 同社は復旧作業を急いでいるが、全面復旧の見通しは立っていない。

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