ホルン奏者・榮野川勉さん 入院先で熱演

入院中の病院で演奏会を開く榮野川さん。白旗を揚げないと赤色のタオルを膝において演奏した=中城村・ハートライフ病院

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2011年4月21日 09時35分

 【中城】プロのホルン奏者で、血液のがんといわれる成人T細胞白血病リンパ腫を発症した榮野川勉さん(45)が20日、闘病中の中城村のハートライフ病院でコンサートを開いた。前日に39度の高熱があるなど体調を崩し、開催見送りの可能性もあった。しかし、「音楽の力を信じ、支えてくれている多くの人に感謝したかった」と、力を振り絞って演奏。自身と同じ闘病中の人や友人、教え子らを勇気づけた。

 昨年末、コンサート終了後に首の腫れを訴え、琉球大学医学部付属病院で診断を受けた榮野川さん。突然の発症の告知に「何で僕が。頭が真っ白になった」と振り返る。しかし、音楽仲間から「元気になってまた一緒に演奏しよう」という激励を受け、奮起した。

 抗がん剤の影響で、体重が10キロ以上減るなど体力の不安を抱えていたが「入院患者が演奏会するなんて聞いたことがない」と驚く病院側の理解も得て、演奏会にこぎ着けた。

 演奏会では、苦学したハンガリー国立リスト音楽院での留学体験などを振り返り、両親や友人、病院スタッフらへの感謝の言葉を演奏に込めた。

 「話すだけでも息が上がる。だけど、一秒、一瞬でも大切に生きたい」と闘病中に作曲した曲など5曲を披露。「どんなことがあっても白旗は絶対に揚げない」と話し、赤色のタオルで汗をぬぐい、当初の予定を1時間以上上回る2時間の演奏会を成し遂げた。

 会場には、入院患者以外にも多くの教え子が駆けつけた。教え子たちでつくるコーラスグループの指揮を執り、共演。「次は快気記念コンサートを開こう」と激励を受けた。

 21日から再び、本格的な治療が始まり、移植手術のためのドナーを待つ日々が続く。榮野川さんは「みんなから元気をもらった。もう一度、演奏の舞台に立ちたい」と、笑顔を浮かべた。

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