共同通信石山氏「米軍の抑止力は幻想」

2011年5月29日 13時23分

 米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設を再確認した日米合意から1年に当たる28日、共同通信の石山永一郎編集委員を講師に招いた講演会が沖縄国際大学であった。鳩山由紀夫前首相が辺野古移設の理由として挙げた在沖米海兵隊の抑止力を「方便だった」と発言したことについて、石山さんは「抑止力は架空の議論であり、常に幻想だ」とし、国民へ現行案回帰の説明として「(方便という)言葉にすがった」と解説した。

 講演会は「普天間から震災まで~全国メディアが伝えなかったこと」と題し、市民グループ「ネオキの会」が主催した。沖縄タイムス社の屋良朝博論説兼編集委員が聞き手を務めた。

 鳩山前首相の「方便」発言の際、インタビューをしていた石山さんは、鳩山前首相は抑止力について「不勉強ではなく、相当のことは理解していた」と指摘。

 「(閣僚に)1~2人でも志を共にするような政治家がいれば状況は変わったが、外交防衛の諸問題を解決するために、(人事を)しっかり考えなかった責任がある」と批判した。一方、抑止力については「軍事的存在による抑止効果という発想は古くなっている」と批判。多くの外交官、政治家の対米追従姿勢を指摘し「思考停止状態だ」と批判した。

 米議会の上院軍事委員長らが普天間の嘉手納基地統合を提言したことについて「米国の議員にも普天間や辺野古という固有名詞を理解し、沖縄の基地問題とは何なのか、どうすれば解決するのか方向性が見えてきた」と一定評価。一方で、「両政府は現行案としているが、議会承認がないと進まない。いずれ日米政府案として出てくる可能性は高い」と分析した。

 東日本大震災で、救援活動を展開した在沖米海兵隊が被災地に到着したのは発生から11日後だったことについて、「もともと海兵隊は1分1秒を争うような部隊でもないし、そういう展開も実際できなかった」と指摘。命令にのみ従って活動する軍隊の救援活動は「災害時には効率が良くない。米軍の貢献度がどこまで大きかったかは疑問」とした。

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