米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設に向けた環境影響評価(アセスメント)で、事業主の防衛省が評価書作成の調査を委託した元請け業者と現場で潜水業務を請け負った孫請け業者に、それぞれ防衛省OBが天下り先として再就職していることが23日、沖縄タイムスの調べで分かった。委託業者に同省OBがいることで、環境影響評価をめぐり科学的な客観性や信頼性が疑われかねないとの指摘がある。
防衛省から調査を委託された元請け業者は、東京に本社があるA社の沖縄支社(那覇市)と、うるま市に本社のあるB社。両社合わせて計約1億5千万円で契約していた。
A社には、2010年3月末で退職した防衛省OBが同年7月に再就職。A社から潜水業務などを請け負うC社には、同時期に退職した沖縄防衛局OBが同年6月に再就職した。両社によると、それぞれ顧問の役職に就いている。
A社の幹部は「防衛省OBは東京にいるが、沖縄支社にはいない。再就職と影響評価の調査委託との関連は全くない」と説明。
C社の代表取締役は「仕事の依頼が増えると思い、防衛省OBを再就職させた。評価書に関連した潜水業務を引き受けたが、OBとは一切関係なく、会社として環境影響評価の作業をしているだけだ」と話している。
調査に携わる業者に防衛省から天下りしている実態について、桜井国俊沖縄大学教授(環境学)は「日本のアセス問題を露呈している」と強調。「みんなが認める第三者が調査を行うのではなく、事業主が決める業者が調査する体系自体に問題がある」と指摘した。
米軍基地建設に関する環境アセスは全国初の事例となる中、国内外のアセスに詳しい島津康男名古屋大名誉教授は「科学的客観性が求められる評価書で、怪しまれるようなことをしてはいけない」と問題視した。