[不可解アセス]国会の場で事実究明を

2012年1月26日 09時10分

 米軍普天間飛行場移設に伴う環境影響評価(アセスメント)をめぐって、重大な疑問が浮上した。制度の根幹を揺さぶるような、看過できない問題が含まれており、事実関係の徹底調査と公表を求めたい。

 沖縄防衛局は昨年12月28日、仕事納めの日の午前4時すぎ、夜も明けない真っ暗闇に、アセスの評価書を県庁に搬入した。7000ページに及ぶ大部の評価書は、防衛省が業者に調査を委託したものだ。

 2009年度から11年度の間に、キャンプ・シュワブ周辺の水域・陸域生物調査など12件の調査業務を独占的に請け負っていたのは、東京に本社を置く「いであ沖縄支社」(那覇市)と、「沖縄環境保全研究所」(うるま市)の2社。

 12件の落札総額は34億1313万円。アセス調査にこれほど巨額の税金が投入されていたとは驚きだ。常識を超える多額の費用がかかったのは、なぜなのか。これまでに支出したアセス調査経費の総額はいくらなのか。

 12件の調査のうち8件は、落札率がすべて99%台。12件の平均落札率も99・14%に達した。落札率は、予定価格に対する落札額の割合のことで、「99・97」「99・86」「99・76」という数字は、限りなく予定価格に近い数字だ。

 しかも、いであ本社には10年に防衛省OBが顧問として再就職し、同社から潜水業務などを請け負った孫請け業者にも、沖縄防衛局OBが再就職しているという。

 これをどう理解すればいいのか。

 一般的に言って、落札率が異常に高いと、予定価格が事前に業者にもれたのではないか、という疑いがもたれる。今回のケースは、防衛省OBを顧問として迎えた企業が、高い落札率で落札しているだけに、余計、疑問は膨らむ。「天下りを受け入れた企業に優先的に発注したのではないか」との疑問だ。

 防衛省には「前科」がある。防衛施設庁(当時)は06年4月、談合罪で起訴された技術審議官、施設調査官を懲戒免職処分にした。歴代の技術審議官は、過去の受注実績やOBの受け入れ数などに基づいて「配分表」を作成し、工事を割り振っていたという。

 千葉県の航空自衛隊第1補給処では、05年から08年までの間に締結した311件の事務用品契約を洗い出したところ、官製談合の事実がぼろぼろでてきた。

 疑いが生じれば、晴らす。それが防衛省に求められる説明責任だ。

 環境影響評価法に基づく環境アセスは、「住民参加」と「情報公開」が大原則である。だが、方法書、準備書、評価書の作成、提出の過程で次々に明らかになったのは、情報隠しというしかない重要情報の「後出し」である。

 アセスに絡む問題はそれだけではなかった。

 防衛省OBを顧問として迎えていた業者が、アセス調査を高額落札していたのだ。それでアセスの客観性、公平性、公正性が保てるのか。

 国会での速やかな事実究明を求めたい。

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