「同じ人間なのに」日米、見ぬふり

屋上で学校周辺の地域調査の授業をする子どもたち。屋上からは基地が一望できる=2005年6月、普天間第二小学校

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2012年1月26日 10時37分

 米海兵隊の垂直離着陸輸送機M22オスプレイの配備に伴い、日米両国の環境影響評価(アセスメント)の比較から見えた沖縄とハワイの騒音基準の格差。「基地負担軽減」と連呼しながら沖縄への配備を容認する日本政府と、騒音の“二重基準”で県民へ配備を押し付ける米政府に対し、今秋にも配備が迫った米軍普天間飛行場周辺の学校関係者や同基地の移設先に挙げられる北部住民ら、識者も「県民の命と人権の軽視だ」と怒りを隠せない。

 【中部・北部】米軍普天間飛行場に隣接し、児童の頭上を頻繁に米軍機が飛び交う宜野湾市の普天間第二小学校は、開校から42年間も爆音と墜落の不安にさらされ続けている。知念春美校長はハワイとの落差に「絶句です。同じ人間が住んでいるのに、ハワイと日本で騒音基準が異なるのはおかしい。本来、学校上空を米軍機が飛んではいけない」と憤った。

 23日に来県した田中直紀防衛相が第二小について、現状認識の甘さを露呈したばかり。オスプレイの普天間配備に対し、知念校長は「騒音に加えて墜落の危険性が増大し、学校環境がますます過酷になる。配備は絶対反対。政府は私たちの痛みを理解するべきだ」と訴えた。

 昨年度、人間の耳の限界とされる123・6デシベルが測定された市上大謝名区。大城ちえ子自治会長は「45デシベルという数字が上大謝名では想像できない」と信じられない様子。「米国は基地の運用より、住民生活を優先しているのに、普天間配備を容認する日本政府が情けない。沖縄はどうでもいいと考えられているのか」と言葉を失った。

 米須清栄副市長は「45デシベルの基準では、普天間では一切飛ぶことができない。この落差は普天間の異常性を示している。なぜ米国は見て見ぬふりをするのか」と疑問を呈した。

 オスプレイの普天間配備後、代替施設が名護市辺野古に建設された場合は辺野古地域周辺だけでなく、東村高江など飛行ルート周辺の住民にも深刻な影響を与えかねない。

 東村高江に住む森岡浩二さん(34)は、集落近くの北部訓練場内にヘリパッドが造られた際、高江小学校に通うわが子の成長に影響が出ないか心配。「授業を遮るほどの騒音や振動は普通ではない。米国人には問題だが、沖縄の人は大丈夫という訳がない。オスプレイ配備を許すわけにはいかない」と憤った。

 名護市の東海岸で3人の子を育てる渡具知武清さん(55)は「沖縄と米国内で環境基準が違うということはおかしい」と憤る。一方で、「基準をこまめに決めても運用は米軍次第で、やりたい放題にされる。妥協せず、辺野古への基地建設に断固反対していく」と力を込めた。

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