アセス天下り6人に 担当課「問題ない」

2012年1月27日 09時57分

 米軍普天間飛行場の移設に向けた環境影響評価(アセスメント)に絡む名護市辺野古のキャンプ・シュワブ周辺水域・陸域生物調査の業務を独占的に受注していた「いであ」(本社・東京)と孫請け業者に防衛省の職員OBが天下りしていた件で、いであとJV(企業共同体)を組んでいた「沖縄環境保全研究所」(うるま市)のほか、別のアセス調査を請け負っていた3社(東京)にも、同省OBが計4人再就職していたことが26日、分かった。アセス調査に絡む天下りは、分かっているだけで計6人となった。

 新たに判明した3社は、それぞれ東京に本社がある「日本海洋コンサルタント」「日本工営」「パスコ」。防衛省が公表している「特別職国家公務員の再就職状況」の資料によると、2009年に退職したOB4人は、日本海洋コンサルタントに顧問、日本工営には嘱託、沖縄環境保全研究所とパスコには従業員としてそれぞれ再就職している。10年に退職したOB2人は、いであと孫請け業者にそれぞれ顧問として就いた。

 日本海洋コンサルタントを除く5社については現在も在職中。

 同省の入札結果資料によると、09~11年度の3年間にあった調査業務で、いであと沖縄環境保全研究所が契約した計12件は、ほとんどがプロポーザル方式の入札。日本工営と日本海洋コンサルタントのJVは、11年度の業務契約で予定価格約1億5400万円の「シュワブ現況調査資料作成業務」を、落札率99・2%の同方式で落札。パスコは、08年度の環境現況追加調査を2億3100万円で落札していた。

 防衛省人事計画・補任課によると、自衛隊法第62条で、在職中に同省と一定の関係のあった営利企業に就職する場合、防衛大臣や幕僚長などから、在職時の階級に応じて承認を受けなければならないと定められている。承認は、在職中に入札の業者選定に加わっていないことなどが条件。ただ、退職から2年が経過した後に再就職した場合は同条件に含まれない。

 同課の担当者は「再就職の申請があった場合、基準に照らして承認するので(今回の件は)問題ないと思っている。再就職した方々は、アセスに関して防衛省と折衝する役割ではないはずだ」と話した。

 一方、沖縄防衛局は同日現在、沖縄タイムスの取材に回答していない。

専門業務はプロポーザル方式
「談合温床」識者指摘も

 「プロポーザル方式」は一定条件を満たした業者にのみ入札参加を認め、業者側の技術提案書(プロポーザル)と見積書を基に受注先を選ぶ仕組み。専門性の高い業務は、ほとんどがこの方式で入札される。

 業務の質を確保する意味合いがある一方で、業者を審査する際の基準を公開する必要がないため「官製談合的な随意契約」と指摘する声がある。

 沖縄大学地域研究所で特別研究員を務める宮田裕氏によると、業者側に求める要件には技術者数や経営状況があり、特に重視するのが過去の実績。発注者と業者側が天下り関係にある場合、入札結果はその影響を受けやすいとみる。

 受注価格は業者側の言い値に発注側が相乗りするケースがあるといい、結果的に多額の税金が無駄遣いになる可能性を指摘する。宮田氏は「プロポーザル方式という一見公正にみえる入札形態は、官製談合の温床と言わざるを得ない」としている。

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