沖縄戦で米軍の捕虜となり、移送されたハワイで亡くなった県出身者12人の慰霊祭への出発を翌日に控え、主催する実行委員会が1日、県庁で会見した。過酷な捕虜を体験した共同代表の渡口彦信さん(90)=読谷村=は「戦争による犠牲が再び起きないよう、真珠湾攻撃があったハワイを平和の発信地にしたい」と思いを語った。

「遺骨を捜し、故郷や遺族の元に返したいというのが終局的な願い」と語る渡口彦信さん(右から2人目)=1日、県庁

 慰霊祭は現地時間4日午後3時(日本時間5日午前10時)から、ホノルル市の慈光園本願寺で開かれる。県内から遺族や元捕虜のほか、浦崎唯昭副知事ら70人余が2日正午すぎに出発。慰霊祭はハワイ側を含め200人規模となる。

 もう一人の共同代表、高山朝光沖縄ハワイ協会長(82)は、12人の鎮魂と世界平和を祈る戦後初めての場が、沖縄とハワイの共同作業で進められた意義を強調。共同作業や慰霊祭をきっかけに、これからも12人の遺骨の行方や3千人余の名簿、県出身者がハワイに送られた理由など、沖縄の戦後史の掘り起こしが進むことを期待した。

 渡口さんは元捕虜としての体験や、仲間の遺骨捜しを36年間続けている経緯を説明。慰霊祭の開催や、戦後の沖縄復興に尽力したハワイ側に感謝した上で「遺骨を遺族に返すのが願い」と訴えた。同行する元捕虜の古堅実吉さん(87)も体験や思いを語った。