見えにくい、かすむ、まぶしいなどを感じる白内障。ピントが合わせにくくなる老眼も白内障がひきおこしている症状の一つなので、意外に若い頃からみなさんの目に白内障は潜んでいます。白内障を溶かしてなくすクスリは現在のところなく、日本では進行予防の目薬がいくつか認可されているのみです。

 それでは、いよいよ見えづらくなってきたらどうするかというと、手術を受けることになります。怖い感じがしますが、最近は機械がかなり改善され、日帰り手術が多くなり、一般的には20~30分程度で終わります。

 目の中に入れる透明な柔らかいレンズもUVカット、乱視矯正、遠近両用とさまざまなものが出てきています。若いうちに手術を受けると後でもう一度手術受けなくてはいけない、と心配される人もいますが、レンズは一生モノで基本的には入れ替えしません。

 それでも手術って怖そう! と思う方は、以下の体験談を読んでください。

 「歯医者さんの治療台みたいなベッドに寝て、目の消毒、ちょっとしみる水で目を洗い、目薬の麻酔。大きな顕微鏡からの光が強くてまぶしいのですが、何か機械がきた! と見えたりはしません。目が乾かないように冷たい水が何度もかけられ、虹みたいな光がグルグル回ります。術者の先生が『痛くないですか? ちょっと下を見てください』とか声を掛けてくれます。おでこの上に先生の手を感じ、目が触られてちょっと重い感じがするなー、と思っているうちに終わりました」

 実はこれ、私が白内障手術を受けた時の感想です。

 患者さんに受けてもらっていた手術ってこんな感じなのだと、貴重な機会を得ることができました。

 手術のきっかけはいろいろ。仕事での夜の運転が怖くて手術を受けた30代男性、強度近視もあり近視を減らしながら受けた40代女性、転倒が怖くて受けた90代女性、動機も白内障の進行度合いも、年齢もバラバラですが、ご本人の決心は大切です。

 手術した後の見え方の特徴や合併症、日常生活で気をつける点など、手術前後で知っておいていただきたいことは、いくつかあります。

 メガネが合わないなー、と思ったらまずは近くの眼科へご相談ください。そしてもし白内障の手術が必要ということになったら、ご本人、ご家族お友達などと一緒に、眼科の先生や看護師さんの話をよく聞いて手術をお受けになってください。

 明るく健やかにすごせるお手伝いができるとぼくら眼科医はうれしいです。(石川哲夫
いしかわ眼科クリニック)