「この車にはAEDを搭載しています。緊急の事態があった場合には、ご連絡の上ご使用ください」。国道58号や329号などで路面清掃を行っているオパス北部支社(喜納敏男支社長)=沖縄県名護市=は、現場車両2台に自動体外式除細動器(AED)を常備している。救急救命の現場に社員が立ち合ったのがきっかけだった。

作業車には「AEDを搭載しています」が表示されている。AEDを手にする玉城さんと従業員ら=名護市

 昨年10月、大宜味村津波区の58号沿いの畑地で農業を営む50~60代の男性が倒れていると、男性の知人からの通報で同社の社員が駆け付けた。同区にある福祉施設から借りたAEDのパットを装着したが、その時点でマッサージ不可能で、男性はすでに息を引き取っていたという。

 路面清掃ではパッカー車や草刈り作業車など4、5台が一つの班となる。当時、現場管理技術責任者として救命処置に当たった玉城政也さん(48)は「口から泡を吹いていた。男性はそのまま救急車で搬送されたが夕方、男性の身内から亡くなった知らせと、お礼の言葉の連絡を受けた。ものすごく残念に思った」と振り返る。

 翌月から同社の二つの班にAEDが配備された。また従業員約30人のうち25人が「普通救命講習修了証」を保持するなど救命に対する意識は高い。喜納支社長は「上級救命講習修了証」を保持する。

 玉城さんは「現場車両にAEDを常備していれば助かる命もある。他の人が緊急事態になった場合を想定して『AEDを搭載しています』と車両のドアにマグネット式の表示を取り付けた」と話す。

 喜納支社長は「AED搭載からおよそ7カ月。本来なら使う場面がないほうがいいですね」と話した。(玉城学通信員)