沖縄県は2日、子どもを取り巻く実態把握を目的に2015年に実施した「子ども調査」の最終報告と、16年実施の「高校生調査」の追加分析結果をまとめた報告書を発表した。中学2年生の進学希望では、大学進学を希望する生徒の割合が困窮世帯で非困窮世帯を12・89ポイント下回るなど親の経済状況が子どもの進学意識に影響を与えていることが示された。

 大学など進学に伴う授業料や生活費の不足分を補う手段では、高校2年生の保護者の86・34%が給付型奨学金を「必要」と答えた。調査に協力した学識経験者からの施策提言として、給付型奨学金の拡充や通学費支援、「子どもの貧困対策条例」制定など9項目が初めて盛り込まれた。

 ■厳しい沖縄の実情裏付け

 子どもの貧困率が全国の約1・8倍に当たる29・9%(高校生は29・3%)という厳しい県内の実情が新規データでも裏付けられた。

 中2の進学希望では、「大学まで」を選んだ非困窮世帯が46%だったのに対し、困窮世帯では33・11%で約13ポイントの差があった。小学5年生でも14・84ポイントの開きがあった。

 高校卒業後の進路選択で家庭の経済的な状況を「とても考える」「やや考える」と回答した高2の保護者が87・20%を占めた。

 ■父親46%が正社員でも困窮

 親の学歴と経済状況の関係では、小1の父親が中卒の場合、60・19%が生活に困窮し、非困窮は39・81%にとどまった。高卒以上では困窮と非困窮の割合が逆転し、高卒では困窮36・77%、非困窮63・23%。大学・大学院卒では非困窮が92・28%だった。

 小1の父親の就労形態では、困窮世帯の46・15%が正社員だった。全国最低レベルの県内の賃金水準を背景に、正社員であることが困窮を脱する条件になり得ていないことがうかがえる。

 施策提言では県の施策をより一層効果的に展開するため、具体的な改善内容を示した。給付型奨学金制度は現行の県外大学対象から県内大学にも拡充、通学支援では他府県にある「福祉乗車券」制度の導入を提案した。子育て・人材育成の全国モデルとなる可能性を視野に「沖縄こども特区」構想も挙げた。