沖縄県那覇市は本年度から、飼い主のいない猫に不妊去勢手術を実施する事業(TNR)を市内全域に拡大し、殺処分を減らす取り組みを強化する。市議会では殺処分ゼロを目指す有志が議員連盟を発足。市民ボランティアの譲渡イベントも定例化するなど機運は高まりつつある。一方、飼い猫を捨てる人が後を絶たないなどの課題があり、継続的な取り組みが求められている。

4月に開かれた「つなぐフェス」で里親探しのブースの猫をなでる子ども=那覇市中心商店街にぎわい広場

 TNRは地域で暮らす猫を捕獲し、手術して元の場所に返す方法。繁殖を抑えることで、ふん尿被害など衛生面の改善や、れき死、殺処分を減らすことにつながるといわれている。市は14~16年度にかけて、観光地周辺で約600匹に実施。市内で収容される猫の数は減る傾向にあった。16年度は168匹が収容され、飼い主が見つかったのは30匹。残りの138匹は殺処分された。

 市は本年度、約100匹にTNRを行う予定。5月には愛護団体などと意見交換会を開催し、事業の方向性を確認した。今後、対象地域や猫の数などを詰め、秋ごろに実施する。

 市の動物愛護の施策を推進し、殺処分ゼロを目指そうと、市議の有志は1日、議連を設立。愛護団体との意見交換や調査などを進め、政策提言する。

 民間のボランティアの動きも広がる。動物愛護団体「TSUNAGU OKINAWA」は昨年から、音楽ライブや譲渡会などを盛り込んだイベント「つなぐフェス」を開催。ことし4月には、2千人以上が来場した。

 畑井モト子代表は「市や民間団体の動きをみて、命を大切にする飼い主が増えてほしい」と期待する。一方で、飼い猫を捨てる人が後を絶たず、縄張りを求めて別の場所からやってくる猫もいるなどの課題を挙げ「TNRなどの取り組みは、すぐに成果が表れるものではない。地道に継続していくことが重要」と語った。