【ハワイ4日=溝井洋輔】沖縄戦で米軍の捕虜となり、移送されたハワイで亡くなった県出身者12人の慰霊祭が4日(日本時間5日)、ハワイ州ホノルル市の慈光園本願寺で開かれた。戦後72年目を経て遺骨が遺族の元に戻っていない魂を鎮めようと初の企画。沖縄から訪れた遺族や元捕虜ら70人余にハワイ側を含めた約200人が12人の鎮魂と世界の恒久平和を願った。

ハワイで亡くなり、遺骨が沖縄に戻っていない人御霊を鎮めようと合掌する参列者。左手前から慰霊祭実行委員会の渡口彦信共同代表、高山朝光共同代表ら=4日、ハワイ州ホノルル市・慈光園本願寺

 祭壇には12人の名前が掲げられ、西山真道住職が読経をあげた。厳かな中で沖縄からの参加者は一人一人焼香した。人間国宝の照喜名朝一さんと琉球古典安冨祖流音楽研究朝一会ハワイ支部が、追悼の歌「ジャンナ節」を奏でた。

 慰霊祭実行委員会共同代表の渡口彦信さん(90)は「悲劇を直視することで戦争を繰り返してはいけないと心に誓うことは次世代のために大切なこと。このハワイの地で世界平和を祈るとともに12人の鎮魂を心からお祈りします」と願った。

 叔父の憲保さん(享年33)を亡くした久手堅憲吉さん(68)は遺族を代表してあいさつ。「このような慰霊の機会をもっていただき、心に刺さったとげが一つ取れたような気持ちになっている」と語り、慰霊祭開催に尽力したハワイと沖縄の関係者に感謝した。

 訪問団に同行した浦崎唯昭副知事は翁長雄志知事のあいさつを代読し、「私たち県民はこの事実を厳粛に受け止め、世界の恒久平和の実現にまい進することを誓います」と述べた。

 訪問団は慰霊祭に先だって、かつて遺骨が埋葬されていた米軍施設スコーフィールドと捕虜収容所があったサンドアイランド(砂島)を訪れ、12人の御霊を慰めた。