「早く死んでほしい。早く一人になりたい」(49歳女性)、「(暴言に)リモコンを投げつけ、怒りの言葉が止まらなかった」(47歳男性)。本紙が実施した在宅介護アンケート(1、2日付)には叫ぶような言葉が並んでいた

▼正月に始まった高齢者問題の連載「銀髪の時代」取材班が配った質問票は約600通。プライバシーを聞く内容だけに何人が応じるだろうか、50通戻れば御の字と考えていたが、予想を上回る141人が答えてくれた

▼自由記述欄には書き殴った文字が目立つ。「尿臭がひどく、家に人を呼べない」(51歳男性)、「下の世話をしている時、蹴られる」(64歳女性)。中には「あまりにも多すぎて、このスペースに書けない」(61歳女性)とも

▼外から見えにくい家の中で、孤立した介護者の姿が浮かぶ。限界を感じた時「私さえ我慢すればと収める」(70歳女性)、「海に行き大声を出す」(70歳女性)

▼親や家族がある日突然倒れ、自分が介護者になる。誰の身にも降りかかる問題と分かっているつもりでも、赤裸々な心境がつづられた回答用紙の束を読むと言葉が出てこない

▼国の施策から個人の介護力まで、少し考えただけでも介護は課題が山積みだ。妙案はないが、明日はわが身と探り続けるしかない。介護の果てが「こうなる前に死にたい」(70歳女性)では悲しすぎる。(磯野直)