沖縄県名護市辺野古の新基地建設を巡り、沖縄防衛局が県の岩礁破砕許可を得ずに進めている埋め立て工事は県の漁業調整規則に違反しているとして、翁長雄志知事は7日に記者会見を開き、工事の差し止め訴訟を提起する方針を明らかにする。提訴に必要な議案を県議会6月定例会へ提出し、7月中にも那覇地裁に提訴する方針だ。辺野古新基地を巡る県と国の対立は、再び法廷闘争に入る。

米軍キャンプ・シュワブの海岸で重機を使い進められている護岸工事の現場=5月24日、名護市辺野古(小型無人機から)

漁業権を巡る県と国の解釈

米軍キャンプ・シュワブの海岸で重機を使い進められている護岸工事の現場=5月24日、名護市辺野古(小型無人機から) 漁業権を巡る県と国の解釈

 県は関連議案を20日の開会予定日初日に提出する。優先的に審議する先議案件とはせず、7月14日予定の議会最終日に採決し、可決されれば速やかに提訴する方針だ。判決が出るまでの間、工事を中断させるための仮処分も併せて申し立てる。県は6日、県議会与党代表者へ説明した。

 県は当初、潜水などにより明らかな岩礁破砕行為が直接確認できなければ提訴に踏み切れないとみていた。だが、法律の専門家らとの協議の結果、明確な岩礁破砕行為につながる作業が確認できれば提訴できると判断した。

 新基地建設を巡り、県は辺野古海域での工事には岩礁破砕許可が必要との立場だ。一方、防衛局は今年1月に名護漁協が埋め立て海域の漁業権を放棄したため「許可は必要はない」と主張。期限が切れた4月1日以降、新たな申請をせず、工事を継続している。県は5月29日、破砕許可を申請するよう改めて行政指導したが、防衛局は拒否した。

 県は、名護漁協の漁業権の「一部放棄」は知事の許可が必要な「変更」に当たるため、漁業権は消滅していないとする一方、水産庁は「変更に該当しない」とし、漁業権「放棄」に知事の免許は不要だと見解は真っ向から割れている。県は差し止め訴訟で漁業権を巡る解釈を争点にし、県の正当性を主張したい考えだ。