「気持ちや思いでつながる『志縁』で、地域のネットワークをつくりたい」。認知症を患う高齢者の一人歩きを予防し、行方が分からなくなった場合の捜索の仕組みづくりを目指す沖縄ハンズオンNPOの思いだ

▼人けがない、暗い、人目につかない-。「死角」はどの地域にも潜む。そんな空間を見つけ出し、「行方不明の高齢者役」を捜す模擬訓練を開催するという

▼地域を歩いて電話連絡だけのアナログ班と、デジタル機能を駆使した捜索を検証するチームに分かれてそれぞれの課題を探る。その情報を地図に落とし込む「ハザードマップ」作成につなげる

▼今探してほしいというときに、役に立つ地域の“目”が多くあれば、救済力はぐんと高まるはずだ。地域の力をどうつなぎ合わせていくか。超高齢化社会に不可欠な作業といえる

▼県内でも警察や行政などで高齢者見守りの体制づくりが始まっている。北海道釧路市のSOSネットワークは、全国でも先進的な官民一体の取り組みで、年間約30~50人を保護しているという

▼ハンズオンの宮里ジュンさん(27)は「認知症は高齢者だけの問題ではない。見守り協力者が増えることで地域に合った捜索方法が見つかれば」と期待する。模擬訓練は11日に沖縄市内である。「志縁」を形にする行動が地域の安心を生む一歩になるだろう。(赤嶺由紀子)