2017年(平成29年) 9月21日

1935沖縄 よみがえる古里

【カミアチネー(行商)】頭にバーキ載せ「魚買いませんか」 糸満から約12キロ先の那覇まで

 「イユーコーンチョーラニー(魚を買いませんか)」

漁から戻ったサバニの魚を取るカミアチネーの女性たち。遠浅の海にふくらはぎあたりまで漬かっている。中央左の女性は竹かごと頭の間にまな板を載せる。魚をさばく以外に、魚の汁が頭に垂れるのを防ぐ工夫だ。糸満市糸満、前端区にあった新島浜(みいじまばま)とみられる。今は埋め立てられている。カミアチネーは得意先と家族ぐるみの付き合いもあった。同市潮平の金城信子さん(87)は「毎日のように訪れる行商人の家に招かれ、ごちそうになった時もある。糸満でハーレーのあるユッカヌヒー(旧暦5月4日)だった」と記憶をたどる。(写真は朝日新聞提供)

金城幸子さん(98)と、カミアチネー時代に使った天秤ばかり。12斤(7200グラム)まで量ることができる小型で、金城さんの祖母の代、約100年前から伝わるという。今も家に飾っている=糸満市糸満

漁から戻ったサバニの魚を取るカミアチネーの女性たち。遠浅の海にふくらはぎあたりまで漬かっている。中央左の女性は竹かごと頭の間にまな板を載せる。魚をさばく以外に、魚の汁が頭に垂れるのを防ぐ工夫だ。糸満市糸満、前端区にあった新島浜(みいじまばま)とみられる。今は埋め立てられている。カミアチネーは得意先と家族ぐるみの付き合いもあった。同市潮平の金城信子さん(87)は「毎日のように訪れる行商人の家に招かれ、ごちそうになった時もある。糸満でハーレーのあるユッカヌヒー(旧暦5月4日)だった」と記憶をたどる。(写真は朝日新聞提供) 金城幸子さん(98)と、カミアチネー時代に使った天秤ばかり。12斤(7200グラム)まで量ることができる小型で、金城さんの祖母の代、約100年前から伝わるという。今も家に飾っている=糸満市糸満

 漁師町・糸満から魚をバーキ(竹かご)などに入れ声を張って歩いた行商。頭に商品を載せ売り歩くことをカミアチネー(旧糸満町、現在の糸満市糸満ではカミアキネー)という。

 漁師の家に生まれた金城幸子さん(98)は10代でカミアチネーを始めた。漁船の戻りを待ち、午前10時に出発。「大漁の時は、もっと早く始めた」と語る。

 約12キロ先の那覇まで歩き、祖母の代からあったという天秤を使って1斤(600グラム)単位で売った。「不漁で量がない時は、途中で仲買人に卸していた」という。

 西島本和枝さん(81)によると、カミアチネーを終えて母が帰宅したのは午後9時ごろ。「もうけがあれば馬車で、なければ歩いて帰ってきた」。まんじゅうなど母の土産を楽しみに、かやを吊(つ)った寝床で待った夜もあった。

 「カミアチネーは2000年代まであった」と西島本さん。約10年前まで鮮魚店を営んでおり、一緒にセリに加わった女性が「バスや車に乗って、客の家の近所で降り、商品を頭に載せて売りに行っていた」ことを覚えている。(「1935沖縄」取材班・堀川幸太郎)

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 見つかった写真群についての識者寄稿を木曜日文化面に、写真特集を毎週日曜日に掲載します。

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