うその電話やメールで現金などをだまし取る「特殊詐欺」の被害が止まらない。4月上旬、警察官を名乗る男から電話を受けた那覇市の男性が約5400万円をだまし取られ、県内の特殊詐欺事件で過去最悪の被害額となった。電子マネーを購入させる詐欺も増え続けており、県警は巧妙化する特殊詐欺への注意を呼び掛けている。(社会部・新垣卓也)

架空請求詐欺の相談者や被害者の携帯に届いたメール(県警提供、画像の一部を加工しています)

架空請求詐欺の相談者や被害者の携帯に届いたメール(県警提供、画像の一部を加工しています)

 「とある事務所を捜索したら、あなた名義の偽通帳が出てきた。金融庁と共に捜査している」

 4月1日、那覇市の60代男性宅に「警視庁」の捜査員を名乗る男から、こんな電話があった。その後、金融庁職員を名乗る別の男からも「口座を調査している」と電話が入り、男らは「預金が抜き取られる可能性がある。全て引き出して」と指示したという。

 男性から「預金を引き出した」と電話を受けた男は、紙幣のシリアルナンバーを読み上げるよう要求。番号を伝えると、男は「偽札の可能性がある。金融庁で鑑定する」と言い、男性に複数の金融機関から預金を引き出させた。

 その後、電話とは別の男2人が直接男性に会い、複数回にわたって現金合計約5400万円を受け取った。不審に思った男性が那覇署に相談し、事件が発覚。男らは「これは極秘捜査。誰にも話さないで」と念押しまでしていたという。

 電子マネーをコンビニなどで買わせ、使用番号を聞き出す架空請求詐欺の被害も後を絶たない。

 通販大手「アマゾン」や動画サイト「DMM.com」を名乗る者から「有料サイトの未納料金がある」「法的措置を取る」などと不安をあおるメールが届く。その支払いとして数十万~数百万円分の電子マネーをコンビニで買わせ、券の裏面に記載されている使用コードを聞き出す手口だ。

 県警がことし5月末までに認知した架空請求詐欺事件は8件。昨年の12件を超えるペースで推移し、20代から60代までの各年代が被害に遭っているという。直近では、5月下旬に南風原町の30代女性が約30万円分の電子マネーをだまし取られた。

 県警は「警察官をかたって預金を引き出させたり、電子マネーを買わせたりするのは全て詐欺だ」と強調。「冷静に対応し、請求を無視するか、家族や警察に相談してほしい」と呼び掛けている。