「隣人ではなく、皆さんの家族になる」-。9日、沖縄県庁であった記者会見で、セブン-イレブン・ジャパンの古屋一樹社長ら幹部は沖縄進出の決意を語った。既に530店舗のコンビニがひしめく県内で、セブンは新たに250店の展開を計画。沖縄のコンビニ勢力図を塗り替えかねず、関係者は戦々恐々。セブンを知る県外出身者からは歓迎の声もあった。

大勢の報道陣が詰め掛けた記者会見=9日午前、沖縄県庁

 「カメラや記者の数に驚いている。仕事の重さを感じる」。会見室に詰め掛けた50人以上の報道陣を前に、古屋社長はこう切り出した。自身も年2回は沖縄を訪れるほどの「沖縄好き」だが、「東京で売れたから売れるという方程式は100%通用しない」。47都道府県で最後の進出地となった沖縄に挑む難しさを語った。

 7~8年前から、進出のタイミングを見計らってきたとしつつも「まだまだ沖縄の文化、ライフスタイル、食、環境を勉強していく」と覚悟を示した。

 県内のコンビニ関係者の心中は穏やかでない。「(本部から)売り上げがドンと落ちると聞いた」。那覇市のビジネス街にあるローソンの店長(42)は警戒感を強める。同店の1日平均の利用客数は1500人で、セブンの出店で客数が2割は減ると推測する。「今でさえ人材難でスタッフの確保もままならないのに、人手不足も助長される」と嘆く。

 一方、那覇市内の家族経営の商店で働く女性(56)は、直接的な影響は「少ないのでは」とみる。開店40年以上。客は近隣のお年寄りが大半で、毎日足を運ぶ人もいる。自身も「どのコンビニも商品が似てるし、違いが分からない」。宜野湾市の会社員の男性(31)も「便利だが、今でさえ沖縄はコンビニがありすぎる」と冷静に語った。

 セブンになじみの深い県外出身者からは歓迎の声が上がった。茨城県から那覇市に越してきた会社員の諸見里千秋さん(36)は、学生時代によく利用したという。「オリジナル商品のセレクトがいい。弁当や総菜もおいしく、何より便利な場所にあって利便性が高かった。コンビニと言えばセブンでしょ」と喜んだ。