コンビニエンスストア国内最大手のセブン-イレブン・ジャパンが沖縄県内出店を正式表明した。2019年度をめどに出店し、5年間で一気に250店を展開する計画だ。人気のプライベートブランド(PB)商品で幅広い層から支持を得るセブンの参入は、県内小売業者にとって「大きな脅威」(関係者)。顧客や労働者の奪い合いも確実で、既存店は対策と情報収集に追われている。(政経部・下里潤)

(左写真)翁長雄志知事と握手するセブン-イレブン・ジャパンの古屋一樹社長 (右写真)セブン-イレブン店舗と那覇市内の空撮

 ◆既存店「大きな脅威だ」

 「山を切り崩してでも店をつくってくるのだろう」

 県内のコンビニ関係者はセブンの出店攻勢に警戒感を隠せない。既存店のオーナーがセブンにくら替えされたり、好待遇で従業員を奪われたりしないか、悩みは尽きない。

 セブンの平均客日販(1日当たりの店舗の売り上げ)は65万円程度で他社より高いとされる。そのため、売り上げの一部を人件費に上乗せし、高い時給で労働者を集める手法が考えられるという。「消耗戦に備え、利益率を上げる取り組みを強化している。福利厚生も充実させ、人材確保に力を入れたい」と力を込める。

 ◆労働力 どうやって確保?

 出店が始まる19年は浦添市の西海岸や、モノレール延伸に伴う「てだこ浦西駅」周辺で大型商業施設が相次いで開業する年に当たる。別の関係者は「労働者が一気に必要になる。人手不足が深刻な中で一体、どうやって確保するつもりなのか」と首をかしげる。「県内企業にとって、人材確保が喫緊の課題になる」と分析する。

 最初の出店は那覇市を中心とした人口密集地域になる見通し。5年間で250店を達成するためには、単純計算で毎月4~5店ペースでの出店が必要となる。

 ◆施設内出店 3つのメリット

 海邦総研の比嘉明彦上席研究員は「好立地の場所は限られており、病院や公共施設、ビルなど施設内に出店する可能性が高い」と指摘する。

 施設内出店のメリットとして(1)出店が容易(2)一定の昼間人口が存在する(3)既存店と商圏が異なる-の3点を挙げ「一気に出店することで認知度を高める戦略では」と推測する。

 さらに店内にイートイン機能を備えることで「多くの客を獲得できる。総合病院内にカフェがあると、待ち時間を利用して客が来るのと同じ原理だ」と解説する。

 セブンのPB商品は定評があり、顧客の奪い合いが予想される。比嘉氏は「高齢化や核家族化でスーパーの商品と競合が出ている。県内小売業は激変するだろう」と話した。