ベトナムにマレーシア、シンガポール、台湾…。沖縄に近いアジアは、旅行で訪れたことがあるかもしれませんね。その身近な外国で働く自分の姿をイメージしたことはありますか? 沖縄県では海外就職を考えている若者たちを支援する「海外ジョブチャレンジ事業」を実施しています。ただ、何に挑戦するのか、どう支援するのかわかりません。
 その事業内容を県の担当者と事務局に聞いてきました。
 

チャレンジ精神でアジアに就職

―「海外ジョブチャレンジ事業」を簡単に説明してください。

沖縄県商工労働部雇用政策課の新里浩晃さん

新里 「自ら就職をつかみとる!」というチャレンジ精神を養い、海外就職を考える若者たちを支援します。県内の大学生、専門学校生等を対象とした短期・中期インターンシップで海外を身近に感じてもらい、大学4年生や社会人が対象の長期ジョブトレーニングでは3カ月間、海外企業でトレーニングを行います。事業が始まった平成24年度当初は雇用情勢が厳しい状況にあり、働こうにも県内での受け皿が少ない状況にありました。そこで、経済発展の目覚ましいアジアでの就職に目を向けました。現在は雇用情勢が改善し、県内での雇用の場も増えてきております。一方、県は平成27年に「沖縄県アジア経済戦略構想」を策定し、アジア経済の成長を取り込んだ沖縄経済の発展を目指しています。アジアで働く若者、アジアで働いた経験者が多くいればいるほど沖縄が輝きます。今はこれも狙いの一つです。

金城 海外と沖縄をつなぐプレイヤーは貴重で、沖縄経済の戦力です。中国の経済発展も、華僑がいたからこそ可能でした。


―長期ジョブトレーニングを詳しく聞きたいです。
新里 海外就職を目指しても、いきなり海外で働くのはなかなかハードルが高いと思います。3カ月のジョブトレーニングを通して、参加者は業務やビジネス文化を体験します。受け入れ先企業もこの期間トレーニングを行いながら、採用を判断します。5年間で73人が参加し、52人が海外就職をつかみ取りました。

金城 応募資格は「海外で働きたい」。その決意だけです。「いい企業があれば…」と考えている人には、厳しいもしれません。この事業に登録している企業は、日本人採用を真剣に検討しています。仕事が完全にこなせなくても、やる気を見ています。
 

心の支えから費用面まで、しっかりサポート

―実際に働く…。サポート体制はどうですか。
金城 現地在住の日本人がサポーターとして、定期的に面談します。事務局もスカイプでつながります。1カ月目は慣れない仕事に戸惑うこともありますが、2カ月目から仕事や生活にも慣れ調子が上がってきます。

新里 「自分は大丈夫」と自信のある人も、食事や気候など実際に生活しないと分からない事もあるかと思いますが、現地にはジョブトレーニングのOB・OGがいます。同じ悩みを経験してきた先輩たちは、頼りになります。

金城 県人会的な集まりもあり、人脈はすぐに広がります。


―費用も気になります。県から補助はありますか。

沖縄ヒューマンキャピタルの金城和光さん(事務局)

金城 宿泊費・海外保険・語学研修費を県が負担します。飛行機代と日々の生活費は参加者負担です。生活費は派遣先で異なりますが、月5~6万円程度。宿泊先はホテルから寮まで、企業によって異なります。

新里 支援や費用も含め、このような取り組みを行っているところは、なかなか少ないのではないかと思います。

金城 20代にアジアでキャリアを積むと、グローバルな視点や対応力が身につき、30代以降の仕事が全然違ってきます。費用は、自分への先行投資ですね。


―語学力も心配です。
新里 語学力については受け入れ先企業や職種で異なります。例えば、接客業でトレーニングを行った方は、留学経験があり、ベトナム語も英語も日常会話程度は話せるという方だったのですが、語学力の乏しさを痛感したとおっしゃっていた方がおりました。一方、日本向けHP制作のデザイン会社でトレーニングを行った方は、日本語でのやりとりが主だったので、ベトナム語を話せなくても全く問題ないとおっしゃっていました。語学力は大事ですが、それよりもチャレンジする意欲が大事じゃないかと思います。一歩を踏み出す勇気が必要ですね。

金城 日常生活は中学校程度の英語で大丈夫。週末には語学研修もあります。
 

海外でのキャリアは必ず役立つ

―派遣国や業種はどうでしょうか?
新里 派遣先については安全面を最優先に考えています。経済発展が著しいベトナムやマレーシアへの派遣実績が多いですね。

金城 日系企業のアジア進出はめざましく、日本人を採用したい企業が本当に多い。IT業、貿易業、飲食業、サービス業など多種多様です。派遣までの手続は、本人から希望の職種を聞き、2~3社を提案して企業を決定します。海外の受入企業は、日本に本社のある現地支社や、現地で独立起業した日本人経営者の会社などです。

―海外と日本では働き方は違いますか。
金城 海外では同一企業で何年も働くのはまれで、キャリア優先です。キャリアがあればオファーが来るので、やりたい仕事・会社を自分で選べます。

新里 長期ジョブトレーニングは3カ月のキャリアが積めるので、海外就職のベースキャンプ的役割も果たします。
 

―今年度の長期派遣人数は、何人ですか?
新里
 今年度の長期ジョブトレーニングの派遣人数は、15名の予定です。

金城 県内雇用は改善していますが、正社員雇用は少なく、非正規が多いのが現状です。ステップアップとして長期ジョブトレーニングも選択肢に入れて欲しいです。スマートフォンやタブレット端末からワンタップで応募できます。沖縄にいても、未来を描けない若年者の皆さん、成長著しいアジアで、自分の可能性を信じて、挑戦してみませんか?一歩を踏出す勇気が、未来を創ります。多くの皆さんの参加をお待ちしています。「挑戦した人にだけチャンスがある!」

ワールド・カフェ

長期ジョブトレーニングの説明会『ワールド・カフェ』を、毎月第4木曜日の午後7時から、那覇市のCafe・ONE OR EIGNT(ワンオアエイト)で開催しています。海外就職した先輩たちの体験談を映像番組にまとめています。お茶しながら、一緒に見てみませんか。

▼日時:6月29日(6月は第5木曜日)、7月27日、8月24日、9月28日、10月26日
    時間はすべて午後7時から。
▼場所:Cafe・ONE OR EIGNT(那覇国際高校向かい)
▼問い合わせ:098-895-1702 info@okinawa-hc.com
 

長期ジョブトレーニング応募概要

◆対象:県内35歳未満の若年求職者(大卒・昭和58年4月2日以降に生まれた者)および、県内大学生(単位を取得し卒業見込み者)。ただし、学生以外の者は県内に住民票を有すること。日常会話程度の語学力を有する者。
◆派遣期間:2017年8月~2018年3月の期間内で、最大3カ月。企業面接後、随時派遣。
◆派遣人数:15人(予定)
◆派遣先:ベトナム、マレーシア、香港、シンガポールなど
※自己開拓も事務局がサポートします。
◆業種:貿易・飲食・IT・不動産・マーケティング・旅行・日本語教育
◆募集期間:①6月1日~30日 ②8月1日~31日 ③10月1日~31日
◆応募方法:ホームページから直接エントリーしてください http://kaigai-job.com/