宮古工業高校電気情報科の生徒5人が、宮古島の「方言辞書アプリ」を開発し、活用を呼び掛けている。アンドロイド版のスマートフォンに対応する。宮古言葉の学習や観光客に気軽に触れてもらうことが目的で、約120単語を収録。理解を手助けするオリジナルキャラクターの4こま漫画やイラストによる使用例も盛り込んだ。島の言葉を表現して、高校生活最後の年の“成長の証”を作り上げた生徒たちの表情は、誇らしげだ。(宮古支局・新垣亮)

宮古工業の生徒が開発したスマホ用アプリの画面

アプリ完成を喜ぶ(前列左から)根間君、亀浜君、濱口君と(後列左から)美里君、橋本君、友利教諭=宮古工業高校

アンドロイド版のQRコード

宮古工業の生徒が開発したスマホ用アプリの画面 アプリ完成を喜ぶ(前列左から)根間君、亀浜君、濱口君と(後列左から)美里君、橋本君、友利教諭=宮古工業高校 アンドロイド版のQRコード

 完成したアプリは「家族」「感情」「食材・料理」「自然・生き物」など7項目に大別。宮古島独特の言葉だったり、生徒たちが親との会話などの日常生活で使う単語を選んだ。例えば、「きゅう(今日)は、ぴしーぴし(寒い)」「あつぁ(明日)は、すとぅむてぃ(朝)から、ぱり(畑)に行く」など。

 開発したのは根間勇喜君、亀浜大樹君、橋本佳君、美里光則君、濱口竜一君。授業の一環で課題研究として昨春から取り組み、プログラム作製班とイラスト班に分かれて作業を進めた。宮古島市城辺出身の友利悟教諭(32)が指導した。

 きっかけは、ホテル勤務の友利教諭の友人が観光客に「しまくとぅばを教えて」と頼まれたが、なかなか答えることができなかったという体験談から。生徒たちに宮古言葉に触れてもらい、継承に役立つアプリの開発を提案した。

 リーダーの根間君は「宮古言葉は難しい印象があったが、面白さを感じながら学べた」と話す。例えば「海」と「犬」の両方の意味がある「いん」など、「発見」も多かったという。宮古言葉を教えてもらった父との会話も弾んだ。

 デザイン担当の橋本君は「ストーリーをつけるのが難しかったが、沖縄らしさが出るようにこだわった」。「あざ(お兄さん)」のような、日常で使える言葉が身に付いたという。

 アプリは昨年11月の宮古島市の産業まつりで発表。多くの来場者が興味を示し「製品化して」「音声も聞くことができればいい」など、大きな反響が寄せられた。現在は市内4カ所のホテルでQRコード入りの名刺を配布し、配信する。

 卒業が迫った5人は、アプリの改良を後輩に託すつもりだ。地域ごとの差異、デザインの改良、収録単語の増加、音声の活用などを図り、別の基本ソフト(OS)を使用した端末への対応も期待する。

 高校卒業後にほとんどが島を離れる宮古島。友利教諭は「産まれ育った島の言葉に興味を持ち、あらためて島を知るきっかけづくりができてよかった。仲間とともに完成させたことで自信もついたのでは」と5人の成長に目を細めている。