「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ組織犯罪処罰法改正案が15日にも政府与党の強行採決で成立する見通しの中、廃案を訴えてきた県内の識者や市民は「民主主義の崩壊だ」「監視社会になってしまう」と懸念し、数の力で押し切る政権への怒りをあらわにした。

 県憲法普及協議会など県内の13団体で組織する「共謀罪NO!沖縄実行委員会」実行委員長の高良鉄美琉大法科大学院教授は「憲法違反が多い法案で、権力の乱用を招く。自由と民主主義を守るために、成立させてはならない」と何度も訴えてきた。

 高良教授は「数の暴力で国民の基本的人権が奪われるなら、民主主義の根本の問題だ。日本は民主主義と言われるが、そうではない」と指摘。「国民が監視される社会ではなく、国民が権力を監視しなければいけない。国民が主権者としての行動をしなければいけない」と話した。同実行委員会は15日午後6時半から、那覇市の県民ひろばで廃案を求める集会を開く。

 元シールズ琉球の名嘉一心さん(21)=沖国大4年=は、参院法務委員会での法案採決が省略される動きに「なぜこんなに急ぐのか」と不安視した。適用対象があいまいという指摘もある中、「政府の都合のいいように使われるのではないか」と、今後、法案が拡大解釈される可能性を指摘。「重要な法案であるなら時間をかけて審議し、しっかりと国民に説明すべきだ」と訴えた。

 石垣島への陸自配備計画に反対する市民の間でも、「共謀罪」法案を巡る国会の動きに懸念の声が上がった。

 予定地に隣接する開南地区の公民館長で農業の小林丙次(へいじ)さん(55)は「辺野古の運動を狙い撃ちにするための法律にも見える。これを巧妙に使おうと思えば石垣の反対運動もやられるのではないか」と懸念。「どんどん言論の自由が脅かされ、締め付けられている気がする。漠然とした不安はあるが、萎縮するわけにはいかない」と話した。