米軍普天間飛行場返還に伴う新基地建設で、沖縄防衛局は27日、名護市辺野古のキャンプ・シュワブ沿岸部にクレーンの付いた大型作業船を設置した。海上作業は新たな段階に入る。

 抗議活動を続ける市民が近づけないようにフロートを固定するコンクリートブロックが海底に沈められるなど、現場は緊迫感が高まっている。

 翁長雄志知事は26日、前知事の埋め立て承認に瑕疵(かし)がなかったかどうかを検証する第三者委員会の設置を発表した。同日、安慶田光男副知事は検証終了まで作業を中断するよう防衛局に要請し、翁長知事は県警と第11管区海上保安本部に市民の安全確保を申し入れた。その翌日のことである。

 県との対話を拒否し、県の作業中止要請を無視して、しゃにむに工事を強行する姿勢は「平成の琉球処分」そのものだ。

 1950年代に武装兵を出動させ、住民の抵抗を排除し、土地を接収し基地を建設した米軍とどこが違うというのか。

 菅義偉官房長官は記者会見で、第三者委員会の設置について聞かれ、辺野古移設を「着実に進めていくことに全く変わりはない」と答えている。

 沖縄基地負担軽減担当相を兼任する官房長官が、知事に会おうともせず、県の考えを聞くこともなく、作業強行の発言を繰り返す。これで「負担軽減担当相」とは、何をか言わんや。

    ■    ■

 政府は仲井真弘多前知事の埋め立て承認を唯一の根拠に工事を進めている。

 新基地建設を中止に追い込む手段の一つが第三者委員会の検証作業である。来月初旬に第1回会合を開き、早ければ4月にも結論をとりまとめる。

 公有水面埋立法には六つの免許基準があり、そのうち一つでも不適合となれば埋め立てを承認してはならないとしている。検証作業では免許基準にある「環境保全への十分な配慮」などが焦点になる見通しだ。 

 国の天然記念物でもあるジュゴンの保護策をめぐって、ジュゴンの利用は少ないとする防衛省の環境影響評価書に対し、環境保護団体がジュゴンの食(は)み跡を多数確認するなど不備が指摘されている。

 埋め立て土砂の外来種混入対策や、環境監視委員会が実際に機能するのかの問題もある。

    ■    ■

 検証結果を基に、翁長知事は承認の「取り消し」、あるいは「撤回」を判断する。承認が違法だったとみなせば、さかのぼって行政処分を無効とする「取り消し」、承認した後に公益を害する新たな事由が生じ、事後的に違法となった場合は「撤回」することになりそうだ。

 東京で25日、新基地建設に反対する約7千人(主催者発表)が手をつなぐ国会包囲行動があった。政府へ抗議する動きが広がっている。

 県も第三者委員会任せにするのではなく、県民や国内外の人々に積極的に問題点をアピールするなどの取り組みを並行して進めるべきだ。