教育行政トップに続き、行政のトップが逮捕される異常事態である。

 官製談合防止法違反などの疑いで渡名喜村長の上原昇容疑者(65)が逮捕された。那覇市の電気工事会社専務も公契約関係競売入札妨害の疑いで逮捕された。

 村発注の多目的拠点施設の整備工事を巡り、上原容疑者は昨年9月、電気配線工事の入札に関する情報を電気工事会社専務に漏らし、公正な入札を妨害した疑いが持たれている。

 多目的拠点施設の指名競争入札には6社が参加。一般的に落札率が95%以上になると、「談合の疑いが極めて強い」といわれる。電気工事会社の落札率は予定価格の99%を超え、100%に限りなく近かった。

 3期目の村長と同村出身の専務は知人関係という。

 県警捜査2課は2人の認否について明らかにしていない。金銭の授受など贈収賄容疑を視野に入れて捜査を進めているためで、事件はさらに広がる可能性が出ている。

 同村では昨年12月、前教育長が村発注の公共工事の入札価格を業者へ漏らしたとして同じく官製談合防止法違反などの疑いで逮捕されたばかりである。この事件で逮捕された業者も同村出身だった。

 村長と前教育長の事件の構図はそっくりだ。予定価格を知り得る立場にある行政トップと、同村出身の業者との癒着である。

 県警には徹底的な捜査を行い、事件の全容解明を進めてもらいたい。

■    ■

 行政が入札できる業者をあらかじめ指定する指名競争入札は、業者との癒着や業者間の談合の温床になりやすいと指摘されている。

 人口の少ない離島における公共工事は、業者の確保が簡単でないことも背景にはあるのかもしれない。

 渡名喜村では村発注の公共工事は、村出身の建設業者らでつくる親睦団体「入砂会」による落札が多い。

 前教育長の事件が2014年に起きていることを考えると、行政と業者の癒着は長年にわたって繰り返されてきた可能性が高い。根は深いと言わざるを得ない。

 村は官製談合を招いているといっていい指名競争入札の不備を検証し、予定価格の事前公表など公正公平な入札制度の在り方に変えるよう早急に詰める必要がある。

 官製談合によって税金の使途がゆがめられる。被害者は住民ら納税者である。

■    ■

 渡名喜村は副村長を置いておらず、トップの逮捕で村政の混乱が懸念される。緊急事態であり、村幹部は村民生活への影響を最小限にとどめるよう力を合わせてほしい。

 上原容疑者は前教育長が逮捕された後、昨年12月の村議会で「(村発注公共工事での)村内企業や村出身者の会社を優先する配慮はなくしたい」と入札の仕組みを変える考えを示していた。

 村には入札制度を含めた再発防止策を一刻も早く提示してもらいたい。業者との癒着の構造を断ち切るために、今度こそ村民の信頼を取り戻すきっかけにするべきだ。