上原昇渡名喜村長(65)らの逮捕から一夜明けた17日、県警捜査2課は村内にある村長宅と役場、那覇市内の電気工事会社「共和総業」を家宅捜索した。昨年の前教育長と地元出身業者による談合事件から数えて、役場に捜査のメスが入るのは3回目。度重なる行政幹部と業者の癒着に、住民には不信感や戸惑いが広がった。

関係資料が入ったと見られる段ボールを運び出す捜査員ら=17日午後8時20分、渡名喜村役場

 午後0時20分ごろ、段ボール箱を持った県警捜査員が村長宅に入り、約2時間半家宅捜索した。

 午後3時47分、捜索は村役場へ。黒いワゴン車から硬い表情の捜査員6人が役場に入ると、内部の様子が見えないようドアや窓に新聞紙を貼り付けて取材をシャットアウト。約4時間半後の同8時20分、関係資料が入ったと見られる段ボール7箱を捜査車両に積み込んだ。

 集落内は大雨の影響もあり、出歩く村民はまばら。県内報道各社の取材陣が行き来する様子を、島民はけげんそうに見詰めた。多くが「村長」という言葉に反応し、固く口を閉ざした。

 商店にいた女性は「けさの新聞を見てびっくりしている。村民からの信頼もあり、誠実な人だった。やってないと思う」。別の女性も「我先にと積極的に行動する人だった。信じたくない。うそであってほしい」と声を震わせた。

 一方、30代男性は「何十年も前から同じ業者に仕事を回しているんじゃないかという話があった」とし「小さな島でみんな親戚みたいなもの。黙認していたのではないか」と話した。

 65歳男性は「なるべくしてなった」と突き放す。村長がよく飲食店で業者の接待を受ける様子を見掛けたとし、「談合のうわさはあった。教育長の次は、村長かもしれないと思っていた」と話した。

 5月に就任したばかりの桃原優村教育長はトップの逮捕に「言葉が浮かばない」と驚いた様子。「村政運営なども含め、これから課長らと話し合っていきたい」と今後を案じた。