今月6日、那覇市内の飲食店で客の男性がシメサバを食べた後、寄生虫のアニサキスによる食中毒を発症した。お笑いタレントの渡辺直美さんや「品川庄司」の庄司智春さんが患って話題にもなった同食中毒。アニサキスの幼虫が寄生したサバやサケなどを生で食べると、激しい腹痛や嘔吐(おうと)などの症状で苦しむ。季節にかかわらず、魚介類を生で食べる時は注意が必要だ。(学芸部・榮門琴音)

魚から取り出したアニサキスの幼虫(国立感染症研究所提供)

魚から取り出したアニサキスの幼虫(国立感染症研究所提供)

 アニサキスは寄生虫の一種で、幼虫がサバやカツオ、サケ、イカ、サンマなどの内臓に寄生する。幼虫の体長は2~3センチ、幅0・5~1ミリほどで、白い糸のように見える。魚介類が死ぬと幼虫は内臓から筋肉に移動する。

 寄生した魚介類を生で食べると、人の胃壁や腸壁にアニサキスが食い込み、食後数時間後から十数時間後にみぞおちの激しい痛みや嘔吐、腹膜炎を起こす。まれにアナフィラキシーショックや腸閉塞(へいそく)などで重篤化することもあるという。

 県衛生薬務課によると、県内では2016年は2件2人、15年は2件2人、14年は2件2人の発症が報告されている。

 どうしたら防げるのか。幼虫が寄生した魚介類は十分に加熱すればよい。魚は新鮮なものを選び、すぐに内臓を取り除くこと。刺し身など生で食べる時は、目でよく見て幼虫がいないかどうか確認することも重要だ。マイナス20度以下の業務用冷凍庫で24時間以上冷凍された魚だと食中毒は起きないという。

 一方、酢で締めたり、しょうゆを付けたりしても効果はない。

 「生の魚にはいても不思議ではないと思った方がいい」と光クリニック(宜野湾市)院長で消化器内科専門の金城光世医師は話す。アニサキスは放置しても人の体内では生きられず、3~4日程度で死ぬ。ただ、胃けいれんのように激しい痛みがあるため、医療機関での受診が必要になるという。

 金城医師は「アレルギー反応は千差万別だが、まれにひどく当たる場合がある。生で食べる時は、アニサキスがいる可能性があると思った方がいい」と注意喚起した。