不規則な仕事のため、なかなか習い事に通うことはできない。それでも、会得したいと思うのはかっこいいカチャーシーの極意である

▼25日付本紙地方版に南城市で開かれたカチャーシーの踊り方を学ぶ講座が紹介された。市職員の比嘉勇順さん(42)が「楽しく踊ることが一番大切」とこつを伝授した。70人の参加者がいたことが心強く、「習いたい」と思った

▼結婚披露宴のフィナーレでステージに登壇するが、生来のリズム感の悪さに酔いも加わり、たこ踊りのようになってスゴスゴと引き下がるのが常である

▼民俗音楽に詳しい小島美子さん(国立歴史民俗博物館名誉教授)の『音楽からみた日本人』には、カチャーシーのリズムを波に乗るようなスウィング感と表現する。特有の「あと打ち」のリズムは、漁労の中で生まれたとみている

▼小島さんは「リズム感は歴史的に長い間の暮らし方で決まる」と指摘する。自らを振り返れば、祖父母が早く他界したこともあって島唄に親しむ機会がなく、学校の授業は西洋音楽ばかり、物心がつけば歌謡曲に熱中していた

▼復帰前、日本と沖縄を分けた与論島と沖縄本島の間。琉球音階は徳之島と沖永良部に境界線があるという。湧き上がる思いを表現するカチャーシー。リズムに乗れないわが身深くまで進む“本土化”を憂いている。(与那原良彦)