性格がいいことなんて、人生において重要ではない。

映画「僕とカミンスキーの旅」

 この映画の主人公2人は、とにかく性格が悪い。31歳の自信過剰な勘違い芸術評論家と、20世紀を代表する画家・マティスのまな弟子で、かつて盲目の画家として一世を風靡(ふうび)した85歳のカミンスキー。盲目なのかも疑わしい隠居した画家と彼の伝記でひともうけしたい若造が出会い、それぞれの思惑を抱きながら旅に出た2人。

 若造はヨボヨボ老人に振り回されながらも世話を続ける。老人もまた、むちゃな注文をつけながらも楽しく目的地を目指す。相手を利用しつつ、日々生まれる信頼関係に心奪われる。そもそも、カミンスキーとは架空の人物。疑う余地もない展開に見ていて完全にだまされる。原作者の性格を疑うが、心温まる物語は彼の奇麗なハートを映し出している。(桜坂劇場・下地久美子)

◇同劇場で24日から上映予定