昨年、県議を勇退した保守政治家は「メディアとの闘いだった」と長年の政治活動を振り返った。辺野古での新基地建設問題などの主張の違いから緊張関係にあったからだ

▼議会担当記者の時、記事に対する抗議を受けたこともあったが、取材の門戸を閉ざすことはなかった。先日、祝いの場で酒を酌み交わすと、「それぞれの主張を否定しない。支持するかは県民が決めることだ」と話していた

▼政治家がフェイスブックやツイッターなどのソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)で発信することが多くなった。政策や人間性が伝わり、プラスの面は大きい

▼逆に、一方的な批判が物議を醸すことがある。会見で示すべき重要な事案に対する見解をつぶやくこともある。SNSの議論が感情的になる危険性も見過ごせない

▼伊吹文明元衆院議長は失言の戒めとして六つの「た」を挙げる。「立場」を踏まえ、「正しい」と思うことを語る際は、価値観の違いに注意が必要だと強調。「他人への批判」は自分に跳ね返ってくる恐れがあることなどを示している

▼政治の大事な役割に多様な意見の調整がある。メディアを含めた異なった立場の人々と交流する幅の広さが求められるだろう。批判を避け、「お友達」の「いいね」だけで舞い上がると、「裸の王様」になりかねない。(与那原良彦)