性暴力被害者に総合的な支援を1カ所で提供する「県性暴力被害者ワンストップ支援センター」が2日開設された。当事者団体が望んだ病院を拠点とした24時間体制の支援はかなわず、当面は病院外の場所で平日の日中のみの受け付けとなる。産婦人科医との連携や夜間・緊急時の対応といった課題は、一定期間が経過した後、検証と検討を求めたい。

 ワンストップ支援センターの設置促進は、政府が2011年に閣議決定した第2次犯罪被害者等基本計画に盛り込まれている。心身に深い傷を負う被害者の負担軽減を図り、被害の潜在化を防ぐのが目的だ。産婦人科での診察や性感染症の検査、カウンセリング、警察や弁護士への連絡などの支援が1カ所で受けられる拠点である。

 県が開設した支援センターでは、女性相談支援員が月曜から金曜の午前9時から午後5時まで電話相談を受ける。相談内容によっては病院や警察へとつなぎ、法律相談やカウンセリングへと橋渡しする。必要であれば、病院へ同行するなど被害者をサポートする。

 性暴力は被害直後の適切なケアが重要となり、その後の回復を助ける。他方、長い年月が経過しても苦しみから解放されないことも多い。

 「誰にも言えなかった」と一人で悩み、「つらい体験を話さなければならない」と相談をためらう被害者に、そっと手を差しのべ、息長く支援する、そんなセンターであってほしい。

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 県のワンストップ支援センター設置には、当事者らがつくった「『ワンストップ支援センター』設立を強く望む会」の活動が大きな力となった。講演会などを重ね、県民の理解を広げていったのだ。

 望む会は1万人余の署名を集め「24時間365日体制のホットライン」「産婦人科のある総合病院への設置」を要望していた。専門家の検討会議も病院で24時間365日相談が受けられることを県に提言してきた経緯がある。

 既に活動する県外の施設では、夜間・休日の相談も少なくないという。産婦人科医が果たす役割を考えると、病院に拠点を置いた形が理想であることはいうまでもない。

 県の方式は相談センターを中心に複数の協力病院と連携していく形だ。この場合ネットワークの中心にあるセンターの役割がより重要となり、病院との緊密な連携が課題となる。

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 県内では性暴力被害者への支援は民間団体が先行し、「強姦救援センター・沖縄(REICO)」が20年も地道に活動している。

 県警には性犯罪被害者相談電話が設置され、被害者支援にあたる「沖縄被害者支援ゆいセンター」も相談を受けている。

 県は人材や財政面の問題から、すぐには24時間対応の病院拠点型には移行できないとするが、既存の相談機関と連携し機能を集約することで効率化を図ることはできるはずだ。

 被害者ニーズに寄り添った態勢の拡充を望む。