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  • 沖縄でヒアリを疑う情報が多く寄せられたが全て別のアリだった
  • 見分け困難だが、国内種は作らない大きなドーム状のアリ塚が特徴
  • 専門家は「沖縄でヒアリは確認されてない」とし、冷静な対応を促す

 強い毒を持つ南米原産のアリ「ヒアリ」の侵入が国内で初めて報告された6月以降、沖縄県や環境省那覇自然環境事務所に「ヒアリではないか」などと疑う、問い合わせや情報提供が相次いでいる。県に約10個体、同事務所にも約20個体の情報が寄せられたが、全てヒアリではなかった。沖縄はアリの種類が全国で最も多様で見極めが難しく、専門家は「いたずらにアリを怖がらないで」と呼びかけた。

ヒアリが作るアリ塚の断面

台湾北部で撮影されたヒアリの巣(沖縄科学技術大学院大学OKEON美ら森プロジェクト提供)

ヒアリ(沖縄科学技術大学院大学OKEON美ら森プロジェクト提供)

ヒアリが作るアリ塚の断面 台湾北部で撮影されたヒアリの巣(沖縄科学技術大学院大学OKEON美ら森プロジェクト提供) ヒアリ(沖縄科学技術大学院大学OKEON美ら森プロジェクト提供)

 ヒアリ対策に取り組む県環境部、沖縄科学技術大学院大学(OIST)の吉村正志研究員らが26日に会見し、県内72カ所のトラップなどの監視網でヒアリや、侵入に伴って特定のアリ類が著しく減少する兆候は確認されていないと発表した。

 吉村研究員によると、ヒアリは、土で地上高15センチ以上になるドーム状のアリ塚を作り、都市公園や港湾などの光の当たる草地を好む。国内に同じ規模の塚を作る在来アリはおらず、一つの巣に多様な大きさのアリが混じるのも特徴だ。

 ただ赤茶色で腹部が黒っぽいヒアリの外見は、専門家でなければ見極めが難しいという。特に県内はアリだけで約150種が確認され、全国の半数超を占める。沖縄で一般的な「オオシワアリ」「ツヤオオズアリ」とも似ていて、間違われやすいという。

 OISTでは、沖縄版のヒアリの見極め方の製作も進めている。吉村研究員は「全国で例をみない監視網を引いているが、ヒアリは確認されていない」と強調。「アリを全てヒアリとみなして殺虫剤をまくなどの駆除が進めば、在来アリが減り、ヒアリが定着しやすい環境を作ってしまいかねない」と危惧し、冷静な対応を呼びかけた。