介護福祉士を育てる沖縄リハビリテーション福祉学院(沖縄県与那原町)で4月から、5人のベトナム人留学生が学んでいる。出入国管理・難民認定法(入管法)の改正で9月から、外国人の在留資格に「介護」が加わるためで、留学生の受け入れは県内養成校で初めて。人手不足にあえぐ介護現場で外国人が働く流れが、県内でも加速しそうだ。(社会部・新垣綾子)

外国人介護人材受け入れのイメージ

ベトナムから留学し、介護福祉士の資格取得を目指すチュオン・ビン・フーンさん(後列左)ら5人=与那原町・沖縄リハビリテーション福祉学院

外国人介護人材受け入れのイメージ ベトナムから留学し、介護福祉士の資格取得を目指すチュオン・ビン・フーンさん(後列左)ら5人=与那原町・沖縄リハビリテーション福祉学院

 外国人の介護職について国はこれまで、インドネシア、フィリピン、ベトナムとの経済連携協定(EPA)の枠組みで介護福祉士候補生として入国し、国家資格を取得した人に限定。県内では候補生33人のうち2013~16年度に10人が資格を取得したが、施設で働きながら国家試験に備えるため、合格のハードルが高いという指摘もある。

 一方、改正入管法が施行される9月以降、留学生にも介護職への門戸が開かれる。国指定の養成施設で2年以上学び国試に合格すれば、在留資格を「留学」から「介護」に切り替え働くことが認められるからだ。

 沖リハの5人は、ベトナム・ホーチミン市内の大学や看護専門学校を卒業し、うち4人が現地の「看護師免許」を持つ。アジアで人材発掘や交流支援に取り組むアジア国際交流支援機構(AGC、東京都)のプログラム1期生で半年間、現地で日本語を学んだ後に来日。今年3月まで1年間、岡山県内の日本語学校に通って語学力を磨いた。

 現在はスポンサーとなった金武町の医療法人「信愛会」が割安で用意したアパートに住み、法人の送迎車で通学。関連の介護老人保健施設やグループホームでアルバイトし家賃や生活費などを賄う。沖リハなどの学費はAGCの奨学金や県の修学資金制度を活用予定。卒業後に県内で3~5年、介護福祉士として働くことを条件に返還が免除される。AGCの野村敬一代表理事は「一定の学力を備えた学生が、経済的不安なく勉学に励む仕組み。アジアに近い沖縄を、単純労働者ではなく高度で専門的な人材の教育拠点にしたい」と描く。

 5人の中で最年少のチュオン・ビン・フーンさん(22)は心臓疾患がある兄の影響で介護に興味を持ち「日本で多くの経験を積み、将来的には高齢化するベトナムに持ち帰りたい」と目標を掲げる。沖リハ介護福祉学科専任教員の渡慶次司さん(46)は「5人の勉強熱心で謙虚な姿勢は他の学生の刺激になる。日本語のレベルを上げ、資格取得をしっかり後押ししたい」と話した。