出張で訪ねた新潟県佐渡島は、北方4島を除くと沖縄本島に次いで大きな島という。自然、農水産物の豊かな島だが、人口は約6万人にとどまる。「運転するお年寄りが佐渡の名物」。島の人が自嘲気味に話したが、笑えない何かが胸をよぎった

 ▼佐渡と同じく、多くの地方が高齢化や若者の流出で人口減少の悩みを深めている。将来、機能を保てない市町村が半数に上るとの研究もあり、「われらのまちは…」と動揺する人も多いだろう

 ▼昨年末に閣議決定された「地方総合戦略」は奏功するか。過去の地域活性化策と比べてどうか。考え込む市町村職員の姿が目に浮かぶ ▼拠点都市と周辺市町村が一緒に人口対策に取り組む「連携中枢都市圏」は、従来の各省庁の施策をまとめ、名称を替えた。地域の独自性を強調する一方、政策メニューには中央省庁の権限が強い補助金が目立つ

 ▼うまくいってほしいとは思うが、目新しさに乏しく、これまでの繰り返しにならないかと懸念している。首都機能移転など、一極集中是正策はどうしたのだろう

 ▼地方は2016年3月までに地方戦略をつくらねばならない。国に急かされるあまり、安易な策定に終わらないか不安もある。東京集中が続き、地方の問題は克服されない。将来、そんな既視感を覚えることは避けなければならないのだが…。(宮城栄作)