沖縄の「おく」にある離島5村が団結し、観光客の誘客や地域おこしに取り組んでいる。粟国、渡名喜、南大東、北大東、多良間の5村で、開拓百年と歴史の新しい島もあれば、ヤギで活性化を模索する村と個性もさまざま。フェイスブックで地域の話題を県内外へPRする各村で、特産品の売り上げ増、島の知名度向上を試みている。

粟国村観光協会が、島の新たな観光スポットの一つとしてPRを始めたマハナの断崖。火山噴火で火山灰が堆積してできた地形で、高さは約80メートル

粟国村

粟国村観光協会が、島の新たな観光スポットの一つとしてPRを始めたマハナの断崖。火山噴火で火山灰が堆積してできた地形で、高さは約80メートル
粟国村

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 6年後をめどに、年間観光客数1万人達成を目指す粟国村。村と観光協会は今年中にガイドのためのマニュアルを作成するほか、コミュニティーセンターなどを宿泊施設に活用することを検討し、受け入れ態勢づくりを進める方針だ。少子高齢化や過疎化などの課題を乗り越えるため、観光産業に活路を見いだす村の取り組みが始まっている。

 村は2年前から、これまで島になかったイベント「『ア』の国のまつり」を打ち出し、観光客誘致に乗り出した。2013年の来場者数は約500人、14年は約700人と来場者数を伸ばした。島最大の交流行事と位置付け、村小中学校の児童・生徒や女性連合会メンバーが多彩な演目を披露し舞台を盛り上げ、フィナーレで花火を打ち上げて島の夜空を彩った。

 ことしは会場内で島の特産品を販売する予定で、来場者数800人を目指している。村観光協会の渡口義正事務局長は「イベントだけに頼ってはいけない。年間を通して観光客を呼び込む仕組みをつくり出す必要がある」と気を引き締める。島で民宿を営む伊佐チヨさん(77)は「年々客が減っている。住民が一丸となって島を元気にしなければならない」と声に力を込める。

■塩に次ぐ産業模索

 島おこしの鍵は、足元にある-。島の特産品「粟國の塩」を生み出した沖縄海塩研究所の小渡幸信所長はこう提案する。さらに「地域資源を掘り起こし、それを活用する仕組みづくりと、人材育成が大切」と強調する。

 粟國の塩は、塩ブームの道を切り開いた。ミネラル分を多く含み、素材の味を引きたたせるとの評判が口コミで広がり、報道で知名度を上げ全国に知れ渡った。

 小渡所長は約20年、塩の研究を続け、伝統的製塩法を基に独自の釜炊き製法を作り出した。その後、製塩施設の立地条件に合った村東の海岸線にほれ込み、1995年に施設を建てた。現在では、月10トンの塩を生産し、年間約1億4千万円を売り上げ、島を代表する産業に成長した。

 新城静喜村長は「沖縄海塩研究所の取り組みは、参考になることが多い。村や企業、村民らとともに知恵を絞って新たな産業を作り出し、若者が定住できる村づくりをしていきたい」と意気込む。(南部報道部・下地広也)

■離島5村フェア、タイムスビルで13日開幕

 沖縄タイムス社ふるさと元気応援企画「おくなわの観光・物産と芸能フェア」が13日から3日間、那覇市久茂地のタイムスビルで催される。期間中、5村の特産品を販売するほか、14日には芸能公演も行われる。問い合わせは沖縄タイムス社、電話098(860)3000。