東日本大震災で親を失った子どもたちを支える育英基金への寄付を募ろうと、県民ら有志が3月8日午後3時から、那覇市の県立武道館で慈善コンサートを催す。被災した東北の小学校を昨秋に自費で訪ね、津波の爪痕を目の当たりにして贈り先を決めた。民謡歌手ら19組から出演料なしで参加するとの快諾を得ており、津波で犠牲になった子や必死に逃げて生き延びた子たちに思いをはせ、準備を進めている。(新里健)

被災地の小学校などで撮った写真を見ながら、コンサートの打ち合わせをする「ちむぐくるの会」のメンバーら=4日、那覇市識名

 主催するのは「ちむぐくるの会」。復興支援の活動で知り合った7人が昨年9月に結成した。被災地を自ら見て何ができるかを考えたいと、会の中心を担う県民4人は翌月、東北の沿岸部に初めて足を運んだ。

 東京電力福島第1原発から20キロ圏内の福島県浪江町の許可を得て、学区全域が被災した町立請戸小へ向かった。校内の時計は津波が来た午後3時38分で止まったまま。児童は約2キロ離れた山に逃げて全員が無事だった。訪問団の一員で那覇市の仲地良彰さん(58)は「年上の子が年下の子の手を引き、高台へ走る姿が頭に浮かんだ」と振り返る。

 児童74人が亡くなったり行方不明となった宮城県石巻市の大川小も訪れた。花瓶の破片が今も残り、そばに山があった。「子どもたちはどんな気持ちでいたんだろう」。浦添市の新垣恵子さん(55)は目を潤ませた。かつて消防隊員だった読谷村の大城薫さん(60)は「裏山への避難路は確保していなかったのか。あまりに悲しい」と沈痛な思いだった。

 帰沖後、コンサートを入場無料にし、募金箱を用意して被災3県の育英基金への寄付金を集めようと決めた。出演するのは被災地で歌った経験がある古謝美佐子さんや石川陽子さん、ケントミファミリーら。ちむぐくるの会は運営ボランティアも募集中。詳細は仲地さんの携帯電話、090(5020)0787。