子どものころに風邪をひくと、母親がリンゴをすり下ろしたリンゴシリシリーを食べさせてくれた。リンゴシリシリーの甘さが熱でほてった口の中に広がり、ほっとした気分になった

▼「ニンジンの日」の3日、糸満市喜屋武でニンジンの収穫祭が開かれた。その様子を伝える本紙4日付の記事に、保育所の園児が袋いっぱいのニンジンに「お母さんに大好きなニンジンシリシリーを作ってもらう」と喜んでいた

▼こしらえ方は一緒ではないが、多くの人がシリシリーの思い出があるのではないか。何となく甘酸っぱい響きがある。特に、ニンジンシリシリーはテレビや雑誌などで沖縄の家庭料理と紹介され、全国的にも知られるようになった

▼ニンジンを細く千切りにする専用の調理道具もあり、東京・銀座などで沖縄物産を販売する「わしたショップ」のヒット商品にもなった▼総務省の家計調査で、1世帯当たりのニンジン年間消費量・消費額ともに、沖縄(那覇市)が全国平均を上回り、全国1位。ニンジンシリシリーの効果がうかがえる

▼県産食材を使ったレシピ紹介サイト「おきレシ」を運営するサンネットは「なんでもシリシリレシピコンテスト」を催し、157のレシピが寄せられた。シリシリする手軽な調理法が県産食材の可能性を広げるきっかけになってほしい。(与那原良彦)