「すごいことよ」。沖縄の家族の問題に向き合い続ける山内優子さん(67)の弾む声に、多くの親子が救われるかもしれないと思った

▼県は低所得のひとり親家庭の支援策として認可外保育園の保育料助成を決めた(5日付27面)。米軍統治で整備が遅れた認可保育園の代わりに保育の受け皿となってきた認可外利用者へ、戦後初の負担軽減策となる

▼県内の認可外入所児童数1万7千人は全国1位(2010年、内閣府)。山内さんはニーズの背景に夜間働く母子家庭の母親の存在があるという。児童相談所長だったころ、子守がおらず夜の繁華街をうろつく幼児の保護に何度も立ち会った

▼認可園の中でも数が少ない夜間保育所の入所は狭き門。その上、夜の仕事では入所条件となる勤務証明書を発行しない雇い主も多く、申し込みすらできない母子もいるという。そのニーズに応えたのが認可外だ

▼認可園の周りに認可外の夜間保育所が立ち並ぶ光景もめずらしくない。それなのに利用者への公的支援がほとんどなく、山内さんは「最も必要とする子に支援が届かない」と訴えてきた。助成開始は大きな前進と評価する

▼県は初年度160人分を予算計上の予定だが入所児童数を見れば氷山の一角だ。山内さんは日の当たりにくい場所にこそ確実に届いてほしいと願っている。(黒島美奈子)