渡名喜村は那覇市の北西約60キロにあり、人口約410人と県内で最も小さな自治体だ。2021年度に人口600人を目指す島は、養殖などのもうかる漁業や、島野菜を使った加工品づくりで、地域活性化へ汗を流している。

シマニンジンを収穫する渡名喜村の女性ら。島の活性化へ加工品作りが進んでいる=1月、同村

渡名喜村

シマニンジンを収穫する渡名喜村の女性ら。島の活性化へ加工品作りが進んでいる=1月、同村 渡名喜村

 村の基幹産業は漁業だ。戦前からカツオ漁で栄えた島だが、5年ほど前から、シャコ貝の養殖にも力を入れている。8センチほどの稚貝を購入し、島のイノーで2年間かけて25センチほどに成長したところで加工。商品名「ギブガラス(島の言葉でシャコ貝の塩から)」は、離島フェアでは1日に300-400個が売れる。

 渡名喜村漁協参事の比嘉常夫さん(58)は「台風が島を襲っても、貝は無事に成長している。後は、自分たちの頑張りにかかる」と意気込む。

 比嘉さんは、商品化するには年間1万-2万個の生産が必要とみている。しかし、現状は豊作の年でもおよそ3千個、1・5トンほどだ。「少しずつ広げていきたい。天気のいい日は漁をし、海がしけた時はイノーで養殖する形がつくれたら」と考えている。

 村漁協の近年の総水揚げ量はおよそ100トン、総水揚げ額は5千万-6千万円。08年と比べると水揚げ量は半分以下、金額は4分の1程度に激減している。島の漁師は65歳以上が過半数といい、後継者育成に漁協も頭を悩ませる。

 十数年前から取り組むアーサも含め、養殖にも力を入れる理由は、高齢化した漁師への対応策でもあるが、若者を呼び込むためでもある。比嘉さんは「組合員が増えれば活性化し、いろんな事業に取り組むことができる」と話す。

 島のもう一つの主要産業は農業だ。無農薬栽培が売りのシマニンジンは14年に11・9トンを生産。加工することで購入しやすくしようと、昨年販売を始めたのが「島にんじんゼリー」だ。特有の色と香りがあり、フルーツ果汁を加えたことで、子どもたちにも人気だ。村生活改善グループが630個を作り完売した。規格外を使うとはいえ、生産量自体が多くないため、常時販売できるわけではない。

 島にんじんゼリーは試験販売期間との位置付けだ。しかし生産拡大しようにも、農漁業ともに担い手育成の課題に突き当たる。村は「活性化するには、定住人口を増やさないといけない。地道に一歩ずつ進めたい」と話している。(南部報道部・又吉健次)

■離島5村フェア、タイムスビルで13日開幕

 沖縄タイムス社ふるさと元気応援企画「沖縄の奥、島の奥。おくなわの観光・物産と芸能フェア」が13日から3日間、那覇市のタイムスビルで催される。離島5村の特産品を販売するほか、14日には芸能公演も行われる。問い合わせは沖縄タイムス社、電話098(860)3000。