那覇-石垣線に新規参入するスカイネットアジア航空(SNA、ソラシドエア、宮崎市)の運賃設定に伴い、同路線の搭乗日当日~2日前の最低運賃が現行の2倍程度に引き上げられる可能性が出ている。大手航空会社が新興航空会社の設定運賃を下回ることができないとした国土交通省の内部通達によるもので、1万円前後で運航している日本トランスオーシャン航空(JTA)など既存の航空会社も引き上げに追い込まれかねない。価格競争を生みやすい新興航空会社の参入が、逆に値上げに向かう状況に地元やJTAなどから反発が出ている。

南ぬ島石垣空港=2013年3月

 スカイマーク撤退後の3月29日から那覇-石垣線への参入を表明しているSNAは9日、搭乗日の3日前の予約で割り引きになる「特売り3日前」の運賃を8200~8500円(5月31日まで)で届け出た。当初は1万円の運賃を発表していた。那覇-石垣線の全体の運賃引き上げにつながることが地元の反発を招き、SNAは方針を変更し、運賃を引き下げて、国交省に再び届け出た。

 3日前割引きは水準を維持するものの、2日前から当日の運賃が値上がりする問題は残っている。

 JTAは搭乗1日前の割引制度で1万円前後での届け出を予定している。一方、SNAは同様の割引制度がなく、2万1千から2万3千円に設定。JTAの運賃もSNAの運賃と同等かそれを上回る設定が求められることになる。

 スカイマークが運航している現状では、既存のJTAと全日本空輸(ANA)の3社の価格競争で運賃が動いてきた。だが、今回参入するSNAはANAと資本関係にある。両社が那覇-石垣線で共同運航便(コードシェア便)を運航することから、JTAは「ANAとSNAは一体」と主張。国交省がSNAを「新興航空会社」と位置付けていることに、JTAは「実質的にはJTAとANAの大手同士の価格競争に値する」として、国交省に自由な運賃設定を求めている。(座安あきの)

■「ダブルパンチ」石垣住民に不満の声

 国交省の通達と、県交通コスト負担軽減事業の適用外-。八重山住民からはスカイネットアジア航空(SNA)の新規参入が二つの値上げの「ダブルパンチ」につながると、不満の声が上がり始めている。負担軽減事業の適用を可決した9日の石垣市議会では、議員から「全日空は減便し、その分にソラシドが入る。全日空から資本提供を受けるソラシドの参入が競争状態にある、と言えるのか」と指摘が上がった。

 4月以降、本島の病院での受診や出張など急を要する時に八重山住民の負担が増大することにも指摘が相次ぎ、市議会は10日に関係機関に要請を行う。石垣市観光交流協会の高嶺良晴会長は「八重山の負担増の情報だけが相次いでいる。航空会社には現状のサービスを継続するよう強く要求していく」と語った。(新崎哲史)