「私たちはルールに従ってしか、仕事はできないですから」。公務員が仕事をしない、あるいはできない理由として挙げるナンバーワンの口実だ

▼法治国家なのだから、この説明はおおむね正しいが、解釈や運用次第で仕事の幅を広げることも、狭めることも往々にしてできることを目の当たりにしてきた。このことを熟知しているのは、当然ながら役人に他ならない

▼さて、最近の名護市辺野古沖で新基地建設を進めるお国の仕事ぶりはどうか。ちょっと前には、あろうことか海の安全を守る海上保安庁が、カヌーで抗議行動をしている市民を拘束し、わざわざリーフ外の沖合に連れて行き放置したことがあった

▼先日明らかになったのは、沖縄防衛局がアンカーの役割を担う20トンブロックの塊をサンゴ礁にめり込ませたり、押しつぶしたり。海面のフロート(浮具)かオイルフェンスにつないだ鎖は、揺れて海底で砂煙をまき上がらせた

▼傷付けられた場所は、国がいずれ埋め立てようとしている所ではない。予定地よりも沖合だ。市民の抗議を排除する目的を達成するために、巨塊(きょかい)をいくつも沈め、変えてはならない自然を壊した

▼ルールはどこにあるのか。少なくとも、青い海の生き物たちのために、沖縄の住民や未来のために、仕事を広げてやっていないことだけは確かだ。(与那嶺一枝)