那覇市の東方約360キロの太平洋に位置する南大東島。「サトウキビの島」ともいわれる島で昨年12月、村かぼちゃ産地協議会が発足した。同会がブランド化を目指す背景には、カボチャ生産量の増加がある。

南大東村で今春、780トンの生産が見込まれるカボチャ。収穫期を前に、実を手にする農家の屋嘉比康雄さん=2日、南大東村池之沢

南大東村の場所

南大東村で今春、780トンの生産が見込まれるカボチャ。収穫期を前に、実を手にする農家の屋嘉比康雄さん=2日、南大東村池之沢 南大東村の場所

 販売用では栽培していなかった島で、生産量は2013-14年が約585トン、14-15年は780トン見込みと増加傾向にある。サトウキビの1トン当たり約2万円に対し、カボチャはおよそ40万円と売り上げは20倍。村は、ブランド化で付加価値を高めて農家の収入増につなげたい考えだ。

 村池之沢で農業を営む屋嘉比康雄さん(55)は約18年前、「サトウキビだけでは家族を養えない」と、カボチャ作りを始めた。海がしけると船が欠航する村で、葉野菜の島外出荷は現実的ではない。日持ちし、種まきから収穫までが10月-4月と、台風の影響の少ない野菜がカボチャだった。

 7ヘクタールある畑の内の6割で、粘りがあり日本人に好まれる「えびす」など2品種を育てる。JAおきなわ南大東支店の野菜生産部会長も務める屋嘉比さんは「ブランドといえる商品かどうかを認めるのは市場だ。農家の頑張りにかかっている」と夢は大きい。

 しかし、手間暇がかかるため、誰もができるわけではない。4ヘクタールでカボチャを生産する農業、喜納和啓さん(59)も「これ以上、畑を広げても手が回らず、質の落ちる心配がある。面積あたりの収穫量を増やしたい」と話す。

 サトウキビの14-15年生産量は4万7千トンと見込まれている。カボチャの生産量が増えているとはいっても、60倍もの収穫量がある圧倒的な存在だ。農家の2人も「サトウキビ産業がだめになったら、島に人がいなくなり、カボチャ栽培もつぶれる」という。

 カボチャの栽培も、サトウキビ生産でやせた土地に鶏ふんなどを入れる土作りがきっかけだった。村や大東糖業は、製糖工場の経営が安定するとみるサトウキビ6万トン以上の村内生産を目標に掲げる。

 TPP(環太平洋連携協定)交渉や高くはない砂糖価格で、サトウキビの未来が描きにくいことも事実だ。村は「基幹産業はあくまでサトウキビ。カボチャ栽培などで土作りを進め、共に収益の上がる形にしたい」と両立への夢を描く。(南部報道部・又吉健次)

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