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  • 沖縄県内の企業がイタチザメのヒレと肉を輸出する
  • 駆除対象の海の厄介者が特産品に変身する
  • 年商1億2千万円を目指している

 水産加工食品の製造・販売を手掛ける七福商事(糸満市、手登根渉社長)が県産イタチザメのフカヒレと肉の輸出に乗り出す。今月中にも、食用として中国の卸売業者へ空輸。県の事業を活用し、年間120トン、1億2千万円の売り上げを目指す。サメは漁業に被害を出し、駆除対象となっている。海の厄介者を逆に特産品にする事業に、手登根社長は「サメのあらゆる部位を使い、一つの産業として盛り上げていきたい」と勢い込む。(新垣卓也)

「産業として盛り上げたい」と話す手登根渉社長(左)と宮古島のサメ漁業者。中央のイタチザメは約300キロ=11日、池間島(宮古島市)・池間漁港(七福商事提供)

県産イタチザメのフカヒレ(七福商事提供)

「産業として盛り上げたい」と話す手登根渉社長(左)と宮古島のサメ漁業者。中央のイタチザメは約300キロ=11日、池間島(宮古島市)・池間漁港(七福商事提供) 県産イタチザメのフカヒレ(七福商事提供)

 手登根社長は以前勤めていた総合商社で試験的にフカヒレを中国へ輸出したが、東日本大震災の影響で物流が滞り中止になった。再開を試みたが中国の贅沢(ぜいたく)禁止令の影響で注文が無くなり、輸出を断念した。

 出身地の宮古島ではサメがよく捕れるが、県産特産品として認識されていない。手登根社長は食材としての知名度向上と資源活用を目標に昨年9月、上海へ渡航し現地の業者と商談。好評を得て契約に至った。

 フカヒレは高級食材として需要が高く、サメ肉は天ぷらや空揚げ、ステーキなどで幅広く食べられる。サメ肉は死後、体内の尿素がアンモニアに変化して臭みが強くなるため、港に揚がったサメをすぐ解体し、身の血抜きをして水にさらすなど独自の処理を施して臭みを消す。サメ漁を専門とする宮古島の漁業者から県産の「イタチザメ」を購入。イタチザメのフカヒレは数あるサメの種類の中でも高級とされており、中国の業者から「イタチザメがほしい」と要望されている。

 県が航空会社から借り上げたコンテナスペースを、香港や台北への輸出を計画する県内の生産者などに無償提供する「沖縄国際航空物流ハブ活用推進事業」を活用して空輸する。1カ月の輸出量は香港にフカヒレ1トン、上海、福州市にサメ肉9トンを予定。

 サメは網にかかった魚を捕食するため駆除対象とされ、フカヒレだけを取って海に捨てる漁業者も多い。手登根社長は「天然物の水産資源が減っている中、大いに活用できるサメが県内では豊富に生息している。県産サメの需要を掘り起こし、国内にも普及させたい」と意欲を見せる。